by Mike Mozart

マクドナルドが音声認識AIとフライヤーロボットを使ったドライブスルーの自動化システムを、シカゴ近郊の店舗で試験導入していると報じられています。

McDonald’s Tests Robot Fryers and Voice-Activated Drive-Throughs - WSJ

https://www.wsj.com/articles/mcdonalds-tests-robot-fryers-and-voice-activated-drive-throughs-11561060920

McDonald’s is Testing Kitchen Robots and AI-Powered Drive-Thrus. It’s About Time | The Spoon

https://thespoon.tech/mcdonalds-is-testing-kitchen-robots-and-ai-powered-drive-thrus-its-about-time/

シカゴ近郊のマクドナルド店舗では、ドライブスルーシステムに音声認識ソフトウェアを試験導入していることに加え、店内ではロボット制御のフライヤーがチキンや魚を揚げているとのこと。どちらの技術も、近年増加傾向にある顧客の待ち時間を短縮することにつながるとマクドナルドは主張しています。

マクドナルドはアメリカ国内において、より小規模なハンバーガーチェーンとの競争を余儀なくされています。一方でアメリカにおけるファストフード店の顧客は減少傾向にあるそうで、マクドナルドはドライブスルーをはじめとするサービスの提供速度を上げることで、収益を向上させようとしています。

自動化を進めるマクドナルドの取り組みについて、従業員からは「人間の労働者から仕事を奪う」といった非難の声も上がっていますが、マクドナルドの上級副社長であるメイソン・スムート氏は、新技術の導入による自動化は従業員を助けるものであり仕事を脅かすものではないと主張しました。スムート氏によると、音声認識AIを使ったドライブスルーシステムとフライヤーロボットは、他の店舗でもテストされる予定だとのこと。



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アメリカでは最低賃金引き上げの動きが強まっており、マクドナルドの従業員も賃金引き上げの訴えに積極的です。一方で全米レストラン協会が2019年4月に行った調査では、3分の1以上のレストラン運営者が従業員確保に苦労しているという結果も出ています。ドライブスルーの自動化が実現すれば、人材不足と賃金引き上げの両方に対応することも可能となります。

実際にシカゴ近郊の店舗で試験導入された音声認識AIは、顧客にAIだと気づかれることなくドライブスルーの注文を処理できたとのこと。実際にドライブスルーでソーセージエッグマフィンやコーヒーを購入した65歳のトニー・パリッシュさんは、「私はとても感心しました。それは完璧に動作していました」とウォール・ストリート・ジャーナルにコメントしました。



by Alan

食品関係のテクノロジーを扱うメディアのThe Spoonは、ファストフード店のように迅速なメニューの提供が重要視される分野では、ロボットによる自動化は非常に相性がいいと指摘。仕事の一部を自動化することにはサービスの速度を向上するという点の他に、揚げ物のような危険な仕事をロボットに任せることで従業員のケガを減らすというメリットもあるとのこと。従業員がケガをすると店舗にとっても大きな痛手であるため、危険な仕事を自動化することは理にかなっているとThe Spoonは述べました。