全世界に大量のユーザーを抱えるミニブログサービスの「Tumblr」は2018年12月17日から、「ユーザーの年齢にかかわらずアダルトコンテンツの投稿を完全に禁止する」というガイドラインが有効になりました。多くのユーザーから批判を受けているアダルトコンテンツ禁止の決定に対し、Tumblr公式が理解を求めるブログを投稿しました。

Tumblr Staff - Hey Tumblr- A couple of weeks ago we announced an...

https://staff.tumblr.com/post/181199101690/hey-tumblr-a-couple-of-weeks-ago-we-announced-an

Tumblr porn ban goes into effect, puppy photos caught in sweep - CNET

https://www.cnet.com/news/tumblr-porn-ban-goes-into-effect-flags-puppy-and-pokemon-photos/

Tumblrは2018年11月末に「アップロードされた画像の中に児童ポルノが含まれていた」という理由から、App Storeからアプリが削除されるという事態に陥りました。

TumblrアプリがApp Storeから消えたのは児童ポルノコンテンツが紛れ込んでいたからと判明 - GIGAZINE



この事態を重く見たのか、Tumblrは2018年12月4日に「プラットフォーム上からアダルトコンテンツを完全に削除する」と発表。わずか2週間後の2018年12月17日から、「人の性器や女性の乳首が写った写真・ムービー・GIF・イラストおよび、セックス行為を含む写真・ムービー・GIF・イラストといったコンテンツ」を削除するとしました。

Tumblrがアダルトコンテンツの禁止を発表 - GIGAZINE



問題に対して非常に迅速な対応を取ったTumblrですが、ユーザーの中にはアダルトコンテンツ禁止の決定に反発する人が多い模様。「Tumblrからアダルトコンテンツがなくなったら何も残らない」といった意見も見られます。





また、Tumblrは独自のAIによってアップロードされたアダルトコンテンツを判別するとしていましたが、そのAI自体が相当なポンコツであることも露呈してしまいました。まるでポルノに見えない画像が多く警告対象となり、なんとTumblr公式スタッフブログのポストまで「ガイドラインに違反している」として警告を受ける事態になっていました。

成人コンテンツを禁止したTumblrのガバガバ過ぎるAIがポルノ画像と判定してしまった健全な画像まとめ - GIGAZINE



そんな中、Tumblr公式はアダルトコンテンツ禁止のガイドラインが発効された2018年12月17日、公式スタッフブログを更新してユーザーに理解を求めました。「Tumblrにおけるアダルトコンテンツ禁止が難しいものであることを申し訳なく思います」と述べた上で、数十億ものGIFやビデオ、画像全てをチェックしてアダルトコンテンツか否かのフラグを立てることは非常に困難なチャレンジだとしています。

さらにTumblrは、プラットフォームがユーザー自身のアイデンティティを追求する場所であり、疎外されたコミュニティに対して居場所を提供する義務を認識していると主張。LGBT・セクシュアリティ・ジェンダー問題に関するポストや性転換手術などに関する画像、政治的な主張に関するヌードや芸術におけるヌードはTumblrが禁止するアダルトコンテンツではないとのこと。

公式ブログの中でTumblrが「これは禁止されるアダルトコンテンツに該当しない」と示した画像例は、以下の画像をクリックするとGIFムービー(約2.9MB)で確認できます。



Tumblrは「多くの投稿が誤ってアダルトコンテンツだと判断されてしまったことには嫌気がさします」と述べ、AIが完全ではないことを認めました。その上でユーザーに対し、「誤ってアダルトコンテンツに分類されてしまったと思われる投稿を報告すればするほど、AIが学習してより正しくアダルトコンテンツの分類ができるようになります」として協力を求めています。

また、重要な点として「アダルトコンテンツと認定されてしまった投稿は削除されず、非公開になるだけである」ということを強調。コンテンツを投稿したユーザー自身は、コンテンツを見ることが可能です。過去に明らかなアダルトコンテンツを投稿した場合やコンテンツのやり取りを行っていた場合も、Tumblrのブログ自体が削除されることはないとのこと。一方で「あなた自身のコンテンツをダウンロードしておくことも忘れないでください」とも述べました。