日本代表初招集のドリブラーMF伊藤達哉

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 確固たる持ち味を披露するため日本代表にやってきた。ハンブルガーSV所属のMF伊藤達哉はブンデスリーガ屈指のドリブラー。“森保ジャパン”では組織的なプレーが求められるのはもちろんだが、「いかに自分のプレーをするか」と個性も押し出してつつ戦っていく覚悟を口にした。

 21歳の伊藤は小さな身体と爆発的なスピードを生かした鋭い突破が魅力のドリブラー。柏レイソルU-18時代に海外遠征でスカウトされ、高校卒業を待たずにドイツへ渡ったという異色の経歴を持つ。

 渡独3年目の昨季はシーズン序盤こそアマチュア契約でスタートしたが、得意のドリブルを生かして出番をつかみ、ブンデスリーガ1部で20試合に出場。チームは2部降格の憂き目に遭ったが、リーグの年間最優秀若手選手にノミネートされるまでの存在となった。

 これまで世代別代表経験はなかったが、今年3月には同じく森保一監督が指揮するU-21日本代表のパラグアイ遠征に初招集。「あの時は練習時間がなかったし、ハンブルクが気温0度の時期に、向こうは30度くらいあった」と満足のいくパフォーマンスはできなかったが、“森保ジャパン”を一足先に経験してきた強みがある。

 フル代表への合流3日目を迎えた伊藤は「まだ3日ですが、何となく見えてきた」と独特のスタイルに理解を示すと、「これからもっとぶつけていかないといけない」と自身の持ち味への自負ものぞかせた。

 2日後に迫るキリンチャレンジ杯のチリ戦では途中出場の可能性もあるが、「それだと求められるものが分かりやすい。ボールを失ってもいいから積極的に、そこは自分の良さ」とドリブル突破への意欲を見せていた。

(取材・文 竹内達也)