世界中で愛されるセイコーダイバーズウオッチの超定番「ブラックボーイ」
<安価機械式「チプメカ」マニアの1万円以下腕時計購入記>
今年の夏は最高気温が更新されるような暑い日が続いてますね。私は夏生まれなせいか、元々暑さには強い方なのですが、今年はさすがにやられて寝苦しい夜に少々うんざりしている日々です。みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、唐突ですが問題です。
【「夏」×「腕時計」=?】と来れば、その解は何でしょうか。
はい、答えは明白ですね。そう…、誰が何と言おうと「ダイバーズウオッチ」です。
マリンレジャーのお供だけでなく、汗をたくさんかいたり豪雨に降られることも多く、タウンユースでもその防水性からダイバーズウオッチが大活躍する季節が夏なのです。
今回はそんなダイバーズウオッチの中でも定番中の定番、セイコーのメカニカルモデル「SKX007」について。今までも、この連載記事にちょこちょこ登場してはいたのですが、改めてその魅力について語っていきたいと思います。
「SKX007」はセイコーの海外向けモデルで、国内セイコー公式のラインナップには含まれていません。そのため、大きな広告に載ったりなどはしていないのですが、質実剛健な作りと確かな防水性、クセのない完成されたデザイン、そしてお手頃な価格帯と、いくつもの魅力を備えた、時計好きの間では有名な人気ダイバーズモデルです。
サイクルが比較的早めなセイコーの腕時計ですが、この「SKX007」は1996年から20年以上(ほぼほぼ同じ形状のクオーツモデル「PYH018」も含めれば、なんと40年!)にわたって販売されている超ロングセラー。“ブラックボーイ”という愛称で世界中のセイコーマニアから愛されているダイバーズウオッチなのです。
黒ベゼル黒文字盤の「SKX007」の他にも、カラーバリエーションで、いわゆる“ペプシカラー”と呼ばれる赤青ベゼルに濃青の文字盤の“ネイビーボーイ”(「SKX009」)や、文字盤がオレンジ色の“オレンジボーイ”(「SKX011」)などもあるのですが、セイコーマニアにとって“ボーイ”と言えば、コイツらの総称になります。
さらに、ひと回り小さいボーイズサイズの“ボーイ”(まぎらわしい…!)という、そちらも根強い人気のモデルが存在するのですが、そんな“ボーイ”ファミリーについては、また別の機会に語ることとしましょう。
購入する際にはひとつ注意が必要で、セイコー海外向けモデルにはよくあるコトですがコチラの「SKX007」も、型番の末尾に付く文字からJモデルとKモデルの二種類があります。
両者は製造地域の違いと言われていて、基本的にはほぼ同じ製品です。明確に違うのは価格(Jモデルの方が数千円高いコトが多い)と、文字盤の端にすごく小サイズの「MADE IN JAPAN」という文字の有無、それと曜日カレンダーの文字の組み合わせで、Jモデルは英語とアラビア語、Kモデルは英語とスペイン語で構成されています。
ちなみに、2018年8月現在の新品実勢価格でKモデルのメタルブレスレットタイプは約1万8000円〜2万円、同じくKモデルのウレタンバンドタイプは約1万7000円〜1万9000円、Jモデルのウレタンバンドタイプは約2万3000円〜2万5000円といったところでしょうか(Jモデルのメタルブレスレットタイプは見当たりませんでした)。
個人的には「MADE IN JAPAN」に特にこだわりを感じないのであれば、安く買えるKモデルの方がオススメです。

本体仕様については、廉価帯の「セイコー5」などでよく使われる自動巻きムーブメント「7S26」を搭載していて、手巻きとハック(秒針規制)機能は無し。ケース幅は約42ミリ(リューズ含まず)で、高い防水性を確保するためにリューズはねじ込み式。リューズが大きめなので変に力を入れなくてもねじ込みできて、時間調整や日付&曜日変更の際に快適なリューズ操作が行えます。
安価ながらも本格的な作り、モデルチェンジをしないロングセラー、という特徴から、個人的にはなんとなくスズキの軽自動車「ジムニー」とイメージが被っていたのですが、あちらの方は先日とうとうモデルチェンジをしましたね。

私が“ブラックボーイ”を入手したのは実はもう1年以上前で、「ヤフオク!」にてKモデルを8000円弱で落札しました。いつものように安くて状態があまり良くないモノを積極的に探していき、ソレを研磨&修理していくDIYスタイル。
ケースや風防の小キズはすっかりキレイになりましたが、バンドが好みではなく、後日にセイコーの純正メタルブレスを新調しました。
22ミリ幅の純正ブレスレットは外側の無垢パーツと内側の板巻きパーツが組み合わさった5連タイプ。板巻き部分があるためか、高級感はあまりないのですが、その板巻き部分が絶妙な広可動域をもたらしていて、よくうねりシャラシャラとした、抜群の着け心地をもたらしています。

さらに後日、社外品の無垢3連タイプブレスレットを手に入れたので装着。ドッシリと重厚感のある作りで高級感が醸し出されてきました。しかし、コレはコレで確かにカッコイイのですが、純正の5連ブレスに慣れてしまったためか、着けていると少々重さが気になってしまいました。
こうやって比較対象ができると、純正5連ブレスは厚すぎず薄すぎず、重すぎず軽すぎずと程よい重量感で、その完成度の高さに改めて感心してしまいます。吸いつくような抜群の着け心地といい、よく考えて作られているよなぁ、“ブラックボーイ”の純正ブレスレット。

そしてそしてさらに後日、ウレタンバンドも購入してみました。コチラの方が、よりダイバーズウオッチっぽさがありますね。まあマリンスポーツなどとは縁の無い私は、陸上で使うのみの“丘サーファー”ならぬ“丘ダイバー”なのですが、コレを着けると気分だけはダイバーになれます。
コチラがウレタンバンド時のリストショット。こうやって見ると、私の細腕よりはもっとガッチリとした太い腕の方が、ウレタンバンドのダイバーズウオッチは映えますね。

上記のような社外品の無垢3連メタルブレスレットだけでなく、文字盤や針、風防、ベゼルなど、カスタムパーツが非常に豊富なことでも“ボーイ”シリーズは有名で、海外サイトを中心に作成&販売されていて、これらを組み込むことによって、自分だけの“ボーイ”を楽しめるのです。
このことを知った時は衝撃を受けました。ごく一部の界隈ではありますが、“腕時計をカスタマイズする文化”というものが存在していて、それを楽しんでいる人たちがいるなんて…、なんと懐の大きい腕時計であろうか“ブラックボーイ”…。
何故に“ボーイ”がこのような愛され方をしてきたのかには、いくつかの要因があると思います。
まずひとつは気軽にカスタムを施せる価格帯であること。これがもう少し高い価格帯の腕時計だと、パーツを組み込む際に「もし破損したらどうしよう…」と躊躇してしまうと思うんですよね。
もうひとつは数十年前から完成されたデザインであるが故に、低コストで作られた風防やベゼルなどが逆に気になってしまうこと。「ああ、この風防がサファイアクリスタルだったら最高なのに…」「時針がもっと目立つデザインだったら言うことないのに…!」といったような、「あと一歩、ココさえ○○ならば…」みたいな思いが積もり積もって、カスタムという行為にかき立てられるのでは、と個人的には思っています。
実際、ネットで検索してみると、さまざまな“ボーイカスタム”が出てきて、見ているだけでも楽しめます。ですが、カスタムの定番となっているのは、サファイアクリスタル風防化、セラミックベゼル化など、大きくデザインを変えるのではなく、個々のグレードをアップするような内容。画像を見てると、確かにパッと見は同じでも雰囲気は確実に変わっていて、とてもカッコイイんですよねえ。
私も“ブラックボーイ”のサファイアクリスタル風防化は、いつかやってみたいなぁ…と思いつつ、でも風防に手を入れたら今度はベゼル、その次はチャプターリング…と、他のパーツもカスタムしたくなるのは想像に難くないのです。カスタム沼は、いったいお金がいくらかかるのでしょう…(笑)。
というワケで、今回は定番のセイコーダイバーズウオッチ、“ブラックボーイ”がスゴイ!というお話でした。この夏に腕時計を買おうかなと考えている方には、ぜひともオススメしたい1本です。
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(文・写真/伏せ字)

ふせじ/時計好きサラリーマン
腕時計好きの趣味が高じて、記事を執筆することに。一介の時計好きサラリーマン。好きな時計の傾向は、ダイバーズ、青焼き針、56系LM。
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