攻めるセブンイレブンに「死角」。新レイアウトに見逃せぬ問題点

コンビニ業界の知られざる裏側を、内情に詳しいライターの日比谷新太さんがレポートする当シリーズ。前回の「ローソンスマホペイ」の将来性に続いて、今回取り上げるのは、セブンイレブンの新フォーマット(大型店の新レイアウト)について。北海道へコンビニ視察に出かけたという日比谷さんが、そこで見たセブンイレブンの強さと、新しい大型店舗の中に見えた「見逃せない問題点」について、業界のプロならではの視点で分析しています。セブン新フォーマットに見えた「死角」とは何だったのでしょうか?
北海道もセブンが勝利か? 追い詰められる地域密着型コンビニ「セコマ」の苦悩
先日、北海道のコンビニ店舗をいくつか確認してきました。北海道は以前も書いたように北海道地区の地域密着型コンビニ「セイコーマート」の本拠地です。
● 北海道発ローカルコンビニ「セイコーマート」は本州で成功するか
札幌市の中心地よりも少しだけ郊外のエリアや、札幌市以外の市町村に行くと、セイコーマートが「こんな場所にも?」と驚くような地域に出店していました。改めて、本気の地域密着コンビニの本質を垣間見ることができました。
いったいどうやって商品を配送しているのか? 近くの別の店まで20-30キロは離れてたなぁ、などなどいろいろな感想を抱きました。
そして、北海道の中を移動しながら感じたことは、ローソン・ファミマの店舗がセイコーマート・セブンと比較して圧倒的に目に入ってこない点です。

出店数比較グラフ
北海道のコンビニ出店数を各社で比較すると、なんとセブンイレブンがセイコーマートに肉薄してきています。店舗数比較だけで見るとこれだけしか見えてきませんが、実際の店舗を現地で確認してきた感想としては「セコマがセブンに抜かれるのも時間の問題だろう」という感じです。
セブンイレブンの新店舗レイアウトにある問題点
今回、札幌市、帯広市、千歳市を現地確認してきましたが、だいたいの傾向としては、市中心街にはセブンイレブンが出店し、中心地から少し離れた地域にセイコーマートが出店していました。
地域によっては、ロードサイドにセコマ、セブン、セコマ、セブンと連続して出店しているところもありました。しかし、店舗サイズや駐車場台数などを比較するとセブンイレブンは「新型フォーマット(大型店)」で出店してきており、集客力も高いようです。セイコーマートは比較的、設備の古い(店歴が古い)お店が多いように思いました。設備投資が滞っているのかもしれません。
さて、このセブンイレブンの新フォーマットですが、印象は「大きい」「広い」「カウンター商品充実」「アイス・冷凍食品が多い」などと好意的な感想が多いのですが、実際にコンビニ業界関係のプロとして店内を確認しますと、どうしても譲れない(妥協できない)問題点があります。
それは、商品購入の連続性が途切れてしまう点です。一般的なコンビニですと、入口から雑誌を立ち読みして、飲料ケース前で飲み物やビール類を購入してついでにおつまみも買って、パン・乳飲料・弁当・パスタを購入してレジで精算というお客さんの購買行動に合わせたレイアウトになっています。消費者として買い物をしていると、逆回りや店内をウロウロする必要がなく、欲しいものが素早く見つけられる、まさに「コンビニエンス(便利な)」買い物ができました。
しかし、セブンイレブンの新フォーマットは、弁当ケースと飲料・酒類ケースが店内の逆側に設置されているため、右奥・左奥にそれぞれ歩き回らないと欲しい商品が揃うことができません。
店舗面積が広く、消費者が「利便性」よりも「快適性・品揃えの豊富さ(ミニスーパー)」的な要素を求めている立地・地域であれば成り立つフォーマットなのでしょうが、都心部の過密・消費者の買い物時間短縮要望が強いエリアでは成り立ちにくいモデルであると感じました。今後の改善に期待したいと思います。
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