先日、僕の古巣でうれしいことがひとつありました。

湘南は6日、真壁潔会長がRIZAP(ライザップ)グループと三栄建築設計とで設立する合弁会社の出資を受け、RIZAPの連結子会社となることを発表しました。

湘南は1999年、親会社のフジタが撤退することになり、その後激動の中で活動してきました。日本代表を含む主力選手は放出し、その年にJ2降格が決定します。僕は湘南がJ2を戦っていた2000年に在籍していました。

2009年には昇格しますが2010年には降格。その後も2012年に昇格し、翌年降格、さらに2014年は1年でJ1復帰を果たしますが、2016年にはまたも降格するという、J1とJ2を行き来する「エレベーター・チーム」でした。理由はチームの資金力です。

フジタが撤退した後の湘南は、ホームタウンを拡大しながら地域に密着し、地域に支えてもらっている「市民クラブ」です。赤字を補填してくれる企業がないため経済基盤は弱く、チームで育ったり、開花した選手は、他のチームから引き抜かれてしまうという悲しみを味わってきました。

またJリーグの移籍金が昔と制度が変わったことも影響しました。今はクラブが複数年で選手と契約し、契約途中の移籍に対しての違約金という形で移籍金が発生します。ところが財政基盤が弱いクラブはなかなか選手と複数年契約を結びにくいのです。そうすると1年が終わったところで選手が別クラブに行っても移籍金は入ってきません。

僕はその点について真壁会長と話をしたことがあります。会長は「やっぱり選手ファーストだから。選手の気持ちを優先してあげる。もちろんチームに残ってほしいが、選手の次のステップに進みたいという気持ちはわかるから、チーム力が落ちてしまうけれども選手は行かせてあげたい」とおっしゃっていました。

クラブに責任企業ができたことで、もうそんな悲しい出来事はなくてもすむでしょう。それどころか、これまで選手がどんどん入れ代わっても常にいいチームを作っていたのですから、これからはもっと上が狙えるようになると思います。

僕は1年しか在籍しませんでしたが、それでも関わった人間として、クラブがいい方向に向かって行ってくれることを願います。真壁会長の涙で声を詰まらせる姿を見て、より一層その気持ちが強くなりました。

7日の湘南vs鹿島では、人で埋まったスタジアムの中で、湘南が最後の1プレーで決勝点を挙げ、勝点3を奪い取りました。新しい門出を祝っているかのような勝利でした。本当におめでとうございます。