どうしても内面的な要素や、戦術理解度の部分になってしまうので、パッと見ただけで気づくのは難しいかもしれません。
 
 なぜかチームが上手く回っているなと感じられたり、ドリブル突破をしてほしい時にその選択を取れたり、カウンターアタックの起点を事前に完全に潰してくれたりと、クレバーさが売りになってくるので、プレーヤーとしての欠点がいくつかある場合があります。それをカバーするために、考えてプレーするようになったタイプですね。
 
 例としては、レベルが高くなってしまいますが、ジュビロ磐田の中村俊輔選手です。
 
 技術レベルが高いので、そちらに目を奪われがちですが、ゲーム内で勝つにはなにが必要かを考えてプレーしています。無駄に走らないといけないところはしっかり走る。パスを出すよりドリブルしたほうがいい。ファウルを受けてチームメイトが休む時間を作ってあげる。そうしたことを考えてプレーしているのが、随所に表われています。
 
 監督の意図を理解してチームメイトにも伝えますし、そのような姿勢はベテランになった現在だからできているのではなく、若かりし頃から持ち合わせていた能力だと思います。
 4つ目は、圧倒的な技術を持っている選手です。
 
 体格が小さめの選手が多いですが、ドリブルの技術やパスセンスが抜群のタイプです。このゾーンは、日本人が大好きだと思いますね。親御さんたちも我が子を育てる時に、まずはこのゾーンを目ざしているような気がします。
 
 例としては、東京ヴェルディの二川孝広選手、横浜FCの寺田紳一選手、そしてガンバ大阪で活躍中の倉田秋選手です。みんなガンバ所縁の選手。パッと思いつくのがやはり、自分が見てきた選手になってしまいます。
 
 最後の5つ目は、人との巡り合わせやきっかけでプロになれる選手です。「運も実力です!」というタイプですね。
 
 こちらは正直、選手目線でなぜプロになれたのか分からない選手も多く混ざっていると思います。
 
 大多数は否定的だけど、スカウトだけは彼の才能を見抜いてくれている、そのチームのポジションバランスなどのタイミングでポッと入れたり、指導者が同じ大学、高校だったり、先輩がいい結果を出していることで繋がりが深まり、入団できたりといろいろです。
 
 こちらは、本当に人との巡り合わせだと思うので、たとえ才能があっても、この要素が欠けているとプロになれない場合もあると思います。ざっくり言ってしまえば、運のない選手ですね。
 
 このタイプの例としては自分、橋本英郎が入っていると思います。
 
 僕はガンバでプロになった時、半年契約の練習生でした。僕だけでなく、その年は、大宮アルディージャの播戸竜二選手を含め、他に練習生契約の選手が5人いました。つまりその年はクラブの方針として練習生制度を取り入れ、より多くの新卒選手を抱え、プロで通用するかどうかを見極めていた。そういう時期だったんですね。
 
 もしそんなクラブの方針がなければ、僕はユースからトップチームに昇格できてなかったと思います。
 
 僕と播戸選手はいまでも現役でプレーできていますが、他の練習生の中には、その年で引退を決めた選手もいましたし、数年プレーした選手もいました。
 もっと言えば、僕は2人目の監督であるフランス人のフレデリック・アントネッティさんによって、引き上げられました。Jリーグ、ナビスコカップで使ってもらえたんです。
 
 ナビスコカップの試合に出場できたきっかけは、ずばり「挨拶をちゃんとしていたから」でした。消化試合のような要素が少しあったのか、チャンスをくれました。いろんな巡り合わせがあって、監督の好みと一致したり、チャンスを与えてみようと思ってくれる場合もあるんです。