学生の窓口編集部

写真拡大

パンダといえば通常、レッサーパンダではなくジャイアントパンダの方を誰もが思い浮かべることでしょう。それはやはり、あの毛色の配色具合がユニークで特徴的だからではないでしょうか。

ちなみに、白黒ではないパンダもいるようで、陝西省(せんせいしょう)の長青保護区において、1985年から2009年の間に、通常黒い部分が茶褐色をしたパンダが5頭見つかっているそうです。

それにしてもいったい、パンダはなぜあのような白黒模様をしているのでしょう?

これについては、生息地が陝西省などの雪深い高山の森林であることから、白黒の毛色が雪景色に溶け込みやすく、敵から身を守るのに都合がいいという説。

冷えやすい耳や目の周り、肩から前肢、後肢が黒いことで熱吸収がよくなる、つまり、防寒対策であるという説。

はたまた、威嚇のためであるとか、異性を見つけやすくするためなど諸説あります。しかし、本当のところはいまだによく分かってはいないようです。

一方で、人間とパンダとの深い絆に思わず泣けてくる、パンダが白黒になった理由に迫る民話が中国には残っていました・・・

その民話によれば、むかしむかしのパンダは全身真っ白だったそうです。

そんな真っ白パンダたちと友達だった少女が、ある日、赤ちゃんパンダを狙う、餓えたヒョウを目撃します。

少女は、そのヒョウの注意をそらすことで赤ちゃんパンダを助けようとしました。おかげで赤ちゃんパンダは一命をとりとめました。しかし少女は重傷を負い、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。

そのことを知った真っ白パンダたちは悲しみでいっぱいになりました。そしてパンダたちは、少女のお葬式の日にみんなで弔いに出かけることにしました。その際、死者を悼む意味で、手足を黒く塗って参列したのです。

ついに少女の埋葬のときがくると、パンダたちは泣きに泣きました。そして、何度も手で涙をぬぐいました。すると、目のまわりが黒くなっていました。また、心をとり乱して両手で頭を抱え込んだときに耳と鼻も黒くなりました。

このときからパンダは白黒模様になった、というわけです。

パンダは現在、標高約1300〜3500メートルにもおよぶ、中国南西部に位置する陝西省、四川省(しせんしょう)、甘粛省(かんしゅくしょう)の山岳地帯の森林で暮らしています。

化石調査によれば、約300万年前から祖先のパンダが生息していたようです。これら化石が標高500〜700メートルあたりでも見つかっていることから、今より低い場所で、広い地域に分布していたとみられています。

そのため、昔はパンダが今ほど希少な動物ではなく、人間ともっと近い関係にあったともみられています。実際、人里に迷い込んできた子パンダを保護するということもあったようです。このような民話が生まれるのも不思議ではありませんね。

ちなみに日本では、上野動物園のほか、兵庫県の神戸市立王子動物園、和歌山県のアドベンチャーワールドでパンダが見られます。近くに行った際は足を運んでみてはいかが!

文・鈴木ゆかり

※参考

「UENO-PANDA.JP」 http://www.ueno-panda.jp/「ラストパンダ――中国の竹林に消えゆく野生動物」(ジョージ・B・シャラー著/早川書房)「動物ウソ?ホントの話」(ロルフ・ハリス他著 松井みどり訳/新潮文庫)