ステージ制の前に議論すべきは、あるべきメディア報道姿勢。
報道の量とそれは大きな関係がある。例えば、テレビのスポーツニュースは、得点シーン中心にしかJリーグの各試合を振り返えろうとしない。あとはせいぜい、日本代表に選ばれた選手の話に触れるぐらいだ。「Jリーグらしい話」を見聞きすることはほとんどできない。なにより、時間的な余裕が全くない。NHKBSで放送されている「Jリーグタイム」も、残念ながら中身は薄い。唯一の振り返り番組であるにも拘わらず駆け足だ。1試合1試合、キチンとレポートできていない。
ステージ制の前に議論すべきは、あるべきメディア報道姿勢。1ステージ制を「世界基準だから」と存続を主張するのはいいけれど、それを取り巻く世界、とりわけメディアの報道が世界基準になければ、1ステージ制でも2ステージ制でも大差ない。
2ステージにして、プレイオフを設ければメディアの注目度は増す。プレイオフに限れば視聴率も5%を超すだろう。それがJリーグの増収に繋がることは確実だ。しかし、問題の本質は、それによりJリーグファンが増すかどうかだ。そのあたりの長期展望、目算を論理的に説明してくれるなら、絶対反対はしない。改革の一環に2ステージ制があるのなら、どうぞと言いたくなる。
だが「儲かるからやりましょう」はダメだ。それは禁句。許されない言葉になる。
2ステージ制を導入することを決めてしまったJリーグが、いますべきことはキチンとした理想を掲げることだ。「後進国」を自覚し、あらゆる手を講じて、そこからの脱皮を図ることだ。もし日本代表が右肩下がりに陥れば、30%はとうてい望めない数字になる。10%しか望めなくなる時が訪れない保証はない。その時、Jリーグがいまと同じ5%以下では、サッカー人気は地に落ちたも同然。
これまでの20年、日本のサッカー界は代表人気に支えられてきたが、これからの20年はどうだろうか。代表が右肩上がりを続けることは、かなり難しいと睨んでいる。Jリーグが日本サッカー界を支えなければならない時が、迫っている気がしてならない。
すなわち、従来の日本人的気質には変化が求められている。Jリーグの戦いは、国内戦ではあるけれど外国文化だ。逆に代表の戦いは、国外戦ではあるけれど日本文化。敵対心が海外に向きやすいその日本人気質を、外国的なものに変えてやる必要がある。そのあたりにまで踏み込んでいかないと、Jリーグは日本サッカー界の救世主にはなれない。その将来は暗いと思う。とりわけいま、Jリーグには中期的な戦略が不可欠。と同時に、優秀な人材も不可欠。そう思えて仕方がない。
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スポーツライター杉山茂樹氏の本音コラム。
