タイガー・ウッズ=優勝へ大きく前進。怖いものなし!(写真/田辺安啓=JJ)

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日没サスペンデッドとなった第1ラウンドの残り7ホールでスコアを2つ伸ばしたタイガー・ウッズは6アンダー3位タイで第2ラウンドへ。出だしはピンに絡まなかったが、4番で3メートルのバーディパットを沈めると、5番ではガードバンカーからチップインバーディ。5連続バーディの末、9番パー5では20メートルを沈めてイーグルを奪い、フロント9のスコアは28。「6ホールで7つ伸ばしたぜ!」「後半も28なら今日のタイガーは56をマークする」なんて声がイーストレイクGCのあちらこちらで木霊した。後半は2バーディ、2ボギーでイーブンパーどまりだったが、7アンダー63を叩き出したタイガーは、2位のウッディ・オースチンに3打差をつけ、通算13アンダーで単独首位に躍り出た。

「グリーンはなかなか面白い」と荒れたグリーンを皮肉っていたタイガー。昨日の雨で今日のグリーンは一層ソフトになり、最終組のタイガーがプレーしたときはスパイクマークでグチャグチャだった。「あっちへ切れ、こっちへ切れた」と手をクネクネさせながらボールの転がり具合を説明したタイガーだが、そんなにひどいグリーンなのに5連続バーディを奪ったり、20メートルのイーグルパットを沈めたりして、こんなにもスコアが伸ばせたのは、なぜなのか。「あっちへ切れ、こっちへ切れる」のなら、入るものも入らず、スコアが伸ばせないのではないかと思えてくる。

タイガーいわく、「グッドグリーンでバッドパットしたら絶対に入らない。でもバッドグリーンではバッドパットが入るからね」。ナゾナゾのような返答だが、よく咀嚼(そしゃく)してみると、なるほどと頷ける。オーガスタのような最高のグリーン上ではグッドパットだけが入り、少しでも打ち損なったり読み間違えたりしたパットは入らない。しかし、今週のイーストレイクのような荒れたグリーンでは、きっちりカップを狙ったパットはもちろん入るし、シマッタと思ったミスパットでもラッキーで入ってしまう。だから、グッドパットでスコアを伸ばし、バッドパットでもスコアが伸びる。その結果、「あわや58?」の期待を人々に抱かせるほどの好ラウンド、好スコアが実現できたという意味だ。

「いつもの(米PGAツアーの)試合では、僕はいつも(ファーストパットで)ボールをカップに寄せることを考える。でも今週は直接ピンを狙い、直接カップを狙う。考え方と心構えを変えているんだ」。荒れたグリーンには、それなりの対応があると考えたタイガーは、それなりの対応を実践して単独首位へ。このあたりの切り替えのうまさが、王者が王者たる所以だ。

すでに2位とは3打差。10ミリオンを獲得できるフェデックスカップタイトルが、そろそろ頭の中にちらつくのでは?「ノー!頭にあるのは優勝だけ。優勝すれば、すべてがくっついてくるからね」。王者にとって、10ミリオンは「オマケ」なのだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)