訪朝した習近平氏と金正恩氏(2026年6月9日付朝鮮中央通信)

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中国の習近平国家主席による北朝鮮訪問を受け、北朝鮮国内で対中関係改善への期待感が高まっている。北朝鮮住民の間では、「中国との交流拡大が生活苦の緩和につながる」との見方が広がっており、長年にわたり中国経済への依存を深めてきた現実が改めて浮き彫りになっている。

米政府系放送「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は11日、北朝鮮内部の複数の情報筋の話として、習主席の訪朝後、住民の間で中朝関係の行方に対する関心が高まっていると伝えた。

咸鏡北道の住民はRFAに対し、「首脳会談の結果が住民の生計に良い影響をもたらしてほしいという雰囲気だ」と語ったという。

住民らの期待の背景には、中国との経済交流がもたらした過去の経験がある。情報筋によれば、中国側は2017年、北東部の羅先市・元汀里に国際物流道路を建設した。当初は清津市方面まで延伸し、本格的な物流網として運用する構想もあったが、北朝鮮当局の承認が得られず、結局は十分に活用されないまま現在に至っている。

それでも当時、地域住民の期待は大きかった。中国と道路で結ばれれば、食料や日用品、医薬品などの中国製品が大量に流入し、生活環境が改善すると考えられていたからだ。しかし、その後の協議の停滞に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による国境封鎖も重なり、計画は事実上頓挫した。

中国の不興を買いながらも核兵器開発を進めた金正恩総書記は、両国関係の冷却化もいとわず独自路線を押し通してきた。しかし、それは経済難に窮する国民の利害と一致しないことも多い。

(参考記事:「中国人が見ている」北朝鮮、住民の”川辺での露出”を厳重注意

別の咸鏡北道の住民は、「1990年代の『苦難の行軍』の時期も、中国のおかげで何とか生き延びたと言っても過言ではない」と振り返った。「おカネ(人民元)、食料、生活必需品、電子製品、文房具、衣類、農薬、肥料に至るまで、中国製品の割合は今も昔も非常に高い」と証言している。

1990年代半ばの大飢饉では数十万人規模の犠牲者が出たとされるが、中国との国境地帯では私的な越境取引や闇市場を通じた物資流入が住民生活を支えたとの指摘は少なくない。国連制裁下にある現在でも、中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国であり続けている。

平安北道の住民も、「少なくとも2010年代のような中朝関係に戻ってほしいという期待が強い」と話したという。「中国との関係が悪化すれば、その影響はすぐ住民生活に現れる。今回の首脳会談への関心が高いのは当然だ」と述べた。