5月31日をもって活動を終了する国民的アイドル・。メンバーは、これからどう歩んでいくのか――。ノンフィクションライターの郄橋大介氏が、その道のりを取材した。

【画像】2011年の「嵐」のメンバー

◆◆◆

人気だったのは相葉と二宮

 が5人によって結成され、CDデビューしたのは1999年。4年前にはフジテレビが独占中継するバレーボールワールドカップに合わせ6がデビュー。その成功を受けて次の大会の99年に、新しいグループが結成されようとしていた。


の5人。左から松本、二宮、櫻井、相葉、大野(2018年撮影) Ⓒ文藝春秋

 ジャニーズ事務所では、創業者のジャニー喜多川が膨大な応募者からジュニアとなる少年を選び、その中からデビューする少年を選ぶ。

 5人の中でジュニア時代に人気が高かったのが相葉と二宮。アイスクリームの「pino」(森永乳業)のコマーシャルにメインで出演するなど既に活躍していた。同時期に活動していた元ジュニアが語る。

「実家が総武線沿線の2人はいつも一緒にレッスンに通っていて、渋谷駅からNHKまで、通常15分くらいで着くところが2人はファンからのプレゼントを受け取りながら歩くので、30分くらいかかっていましたよ。プレゼントの数は相葉君のほうが多かったかな」

 池袋出身の松本もジャニーからの期待は高く、14歳の97年には日本テレビの連続ドラマ「ぼくらの勇気 未満都市」にレギュラー出演を果たしている。同年には相葉、二宮、松本が舞台「Stand by Me」でメインキャストを演じた。

 リーダーとなる大野はジュニアのメインストリートから外れていた。97年からJR京都駅に併設された劇場で、「KYO TO KYO」というステージで過酷な地方営業をしていたのだ。当時を知る元ジュニアが語る。

「1時間のショーを午前2回、午後3回と1日5公演やるんです。牛若丸とか京都の歴史をモチーフにしているので修学旅行のコースに組み込まれたりして、貸切だと最悪ですよ。興味のない男は寝てるし(笑)」

ハワイでお披露目

 慶応幼稚舎からの慶応ボーイで、学業優先だった櫻井は3人ほど目立った存在ではなかった。その櫻井をジャニーに猛プッシュしたのは、デビュー後のをマネジメントした姪の藤島ジュリー景子だ。作家・早見和真の「ラストインタビュー 藤島ジュリー景子との47時間」(新潮社)で、

〈櫻井は『頼むから入れてくれ』とお願いして『』にいれてもらったんでした〉

 と内情を明かし、櫻井の魅力についてこう語っている。

〈それこそ女子の好きそうなものをいくつも持っていたので。可愛げ、賢さ、あとやんちゃな部分とかですかね。当時はヘソピアスとかしていましたから〉

 櫻井は日本で広まり始めたラップミュージックを好んで聴いていた。

「ジャニーさんはユーロビートのダンスミュージックでデビューしたV6の次は、ラップを使うグループをと考えていました。それでラップ担当の櫻井を軸に二宮、松本を加えましたが、2人の歌がひどいので、歌と踊りがうまい大野を呼んだ(笑)。なぜかジャニーさんの頭には相葉がなく、滝沢秀明が『相葉はどうなっちゃうの?』とジャニーさんに言ったことで最後のピースにハマったんです」(レコード会社社員)

 スポーツ紙記者らを連れてハワイでお披露目という仕掛けもあり、デビュー曲はオリコン1位を獲得。

「だが、その後はパッとせず、ジャニーズなら至上命題のオリコン週間1位を取れないこともあった。ジュリー氏は所属レコード会社のポニーキャニオンが力を入れていないと不満だった。契約を2年で打ち切り、2001年にのためのレコード会社『Jストーム』を作り、移籍させました。最初のシングル『a Day in Our Life』を500円で発売し、なんとか1位を取りました」(同前)

 潮目が変わったのは、05年10月クールのTBS金曜10時枠ドラマ「花より男子」に出演した松本の大ブレークだった。だが、松本にとってこれは棚ボタの仕事だった。

「実はこの枠はのちにフジで放送されて大ヒットする『のだめカンタービレ』が放送されるはずだった。ところがその話が潰れて急に別のドラマを作らなくてはいけなくなった。『花より男子』はもっと後に制作される予定で、主演の井上真央は内定していたが、他のキャストは未定だった。『のだめ』では6の岡田准一がメインキャストで出演する予定だったこともあり、TBSがジャニーズに『花より男子』の台本を渡したところ、ジャニーズ側から『松本で』となったんです」(TBS関係者)

(文中敬称略)

※本記事の全文(9500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2026年6月号に掲載されています(郄橋大介「『内幕ルポ』 五叉路の行く先」)。

全文では、以下の内容が語られています。
・二宮「天性の役者だね」
・性加害問題とメンバーの退所
・60歳に向かってどう歩くか

(郄橋 大介/文藝春秋 2026年6月号)