最大のエネルギー源を生み出す「石炭の郷」大事故が発生しハイテク株”7巨人”は低調気味…不況の中国で続く苦境

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中国最大の石炭産地で大事故が発生

中国北部山西省で5月22日、大規模な炭鉱事故が発生した。25日午前の時点で123人が病院に搬送され、死者は82人に上りに上り、2人が依然として行方不明となっている。

山西省は中国最大規模の石炭産地として知られ、炭鉱事故がこれまでに何度も発生してきた。中国政府は事故の原因を究明し、再発防止に努めると強調しているが、中国での炭鉱活動の危険性が改めて浮き彫りとなった形だ。

今回の事故は、これまでとは異なり、中国経済にとって大打撃となる可能性がある。

日本では「中国は再生可能エネルギーが主力となった」との指摘があるが、実態は違う。中国の一次エネルギー(自然界に存在し、人為的な変換を経ないで利用できるエネルギー)に占める化石燃料の比率(2024年)は79%と、日本(82%)や米国(80%)とほぼ同じだ。注目すべきは、石炭の比率が52%と、日本(26%)や米国(8%)に比べて著しく高いことだ。

足元の状況をみると、価格高騰が仇となり中国の原油需要は減少している。

4月小売売上高の結果

中国の4月の原油処理量(原油需要)は前年比5.8%減の日量約1330万バレルと、2022年8月以来の低水準となった。中国では5月に入ってもガソリンなど燃料価格の値上げが続いており、原油需要がさらに減少する可能性が高い。

中国経済は価格の安い石炭に回帰しようとしていたわけだが、その矢先の事故で炭鉱活動の危険性が問題視され、石炭の生産増加にブレーキがかかる事態となれば、中国経済は窮地に陥ってしまうのではないだろうか。

エネルギー価格の高騰は個人消費の下押し圧力にもなる。

中国の4月の小売売上高は前年比0.2%増にとどまり、3月の伸び率(1.7%)から大幅に鈍化した。石油関連製品が6.5%減、自動車が15.3%減だった。

これまで好調だった工業生産も雲行きが怪しくなっている。4月は前年比4.1%増と、3月の5.7%から鈍化した。再エネ製品を中心に輸出が好調だったが、内需の不足を補うことができなかった。

イマイチな7巨人

中国の主力ハイテク企業の株価もさえない展開となっている。

中国の新興企業ディープシークなどの台頭により、中国ハイテク株は昨年以降、好調だった。市場では米国の「マグニフィセント・セブン(エヌビディアやマイクロソフトなどの7社)」になぞらえて、中国の「7巨人(テンセントやアリババなどの主力ハイテク7企業)」に期待が寄せられていた。

だが、消費が停滞する中、値下げ競争で需要を奪い合う「内巻(ネイジュアン)」が足かせとなり、このところ株価の下落傾向が鮮明になっている。

株価上昇(資産効果)がもたらす消費増に期待していた中国政府のあてが外れてしまった格好だ。

中国では自然災害も猛威を振るっている。5月中旬から豪雨が続いており、不況が続く経済への影響も甚大だ。だが、後編記事『ダム無断放流に住民激怒…中国中南部で続く記録的豪雨に有効な対策打てない習近平指導部の怠慢』で見ていくように、習近平指導部は有効な対策を打てずじまいでいる。

【つづきを読む】ダム無断放流に住民激怒…中国中南部で続く記録的豪雨に有効な対策打てない習近平指導部の怠慢