エボラ流行のコンゴ、感染中心地の内側で起きていること

(CNN)エレーヌ・アキリマリさんは、エボラ出血熱に感染しないようあらゆる予防策を講じていると話す。公共の場では常にマスクを着用するという。しかし、最新の流行の中心地であるコンゴ民主共和国(DRC)東部でカカオを売るアキリマリさんの仕事は、毎日多くの人々と接する機会を伴う。中にはエボラ出血熱の存在すら疑う人もいるが、アキリマリさんに彼らの行動をコントロールすることはできない。
「エボラ出血熱は紛れもない病気。人々は現実から目を背けるのをやめるべきだ」とアキリマリさんは語り、ウイルスに関する誤った情報や迷信、そして油断した態度が人々の命を奪っていると警告した。
「私は常にマスクを着用しているが、お客さんはマスクをしている人もいれば、していない人もいる」と、アキリマリさんはCNNに代わって取材をしているジャーナリストに語った。「(マスクなしだからといって)彼らを追い払うわけにもいかない」
感染拡大の影響を最も大きく受けているイトゥリ州と北キブ州の住民は、感染症への対応の遅れだけでなく、健康に関する誤情報や、地域社会におけるマスク着用への無頓着な態度にも苦しんでいると口にする。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は24日にソーシャルメディアへの投稿で、「これまでに900件以上の疑い例が確認されており、うち101件が確定症例だ」と述べた。WHOによると、DRCにおけるエボラ出血熱の流行に関連する死者数は現在220人に上る。この流行は農村部で発生したと考えられているが、ブニアやゴマなどの都市部にも拡大している。隣国ウガンダでも、7件の感染確認例と少なくとも1人の死亡例が報告されている。
AP通信によると24日夜、イトゥリ州でエボラ出血熱患者を治療している病院に若い男たちのグループが押し入り、緊張が高まった。モンブワル総合病院の医療スタッフは銃声が聞こえたため、患者の避難に奔走する事態となった。病院の医療責任者によると、襲撃者たちは親族2人の遺体を引き渡すよう要求したという。
過去1週間でエボラ患者を治療する医療施設が襲われたのはこれで3度目。
エボラ犠牲者の遺体は感染力が非常に高いため、保健当局は、伝統的な葬儀や追悼の儀式によってウイルスが急速に拡散する可能性があると警告している。ブニアを拠点とする地域活動家は以前CNNに対し、故人に触れるという地元の葬儀の慣習が感染拡大の一因となった可能性があると述べていた。
今回の感染拡大を引き起こしているウイルス株には、承認されたワクチンや治療法が存在しない。
援助関係者がCNNに対して明らかにしたところによれば、米国際開発局(USAID)の解体と、感染拡大以前に行われた米国の資金削減が対応を阻害しているという。しかし米国務省当局者はこれらの主張を否定し、トランプ政権によるいかなる変更も支援活動を妨げていないと主張した。
イトゥリ州への人道支援訪問から帰国した直後、国際NGOのセーブ・ザ・チルドレンのDRC担当ディレクター、グレッグ・ラム氏は、同団体のチームが地元当局と協力して、消毒剤や塩素などの基本的な物資を診療所に届けていると述べた。同氏によると人道支援資金は数年前と比べて大幅に減少しているという。
DRC東部で活動する医師たちは、エボラ出血熱に感染している可能性のある人との接触を避けるよう人々に強く呼び掛けている。具体的には抱擁などの不必要な身体的接触を控え、死んだ動物にも触れないようにしなくてはならない。
一方、アフリカ連合(AU)加盟国全体の保健問題の調整を担うアフリカ疾病予防管理センターのカセヤ事務局長は、当局が治療に必要な医薬品の確保に尽力するとともに、ワクチン開発も推進していると述べた。
「ワクチンの完成には数カ月かかるだろう」「具体的な月数を提示する人は事実を伝えていない。かなりの時間を要するかもしれない」(カセヤ氏)
