東京でクマに襲われ重傷「覚悟した」 正しい行動は…証言から当時を再現【バンキシャ!】
東京都内で、男性がクマに襲われ、重傷を負いました。男性のズボンや靴は血で赤く染まっていました。クマと向き合った瞬間、何をしたのか。そこからクマ遭遇時の教訓も見えてきました。【真相報道バンキシャ!】
■クマに襲われ重傷…男性が当時を語る

22日。バンキシャは、ロシア人のイワンさん(仮名)に話を聞くことができた。日本語を学ぶため2か月前に来日したという。顔には大きなガーゼをしていて、この日に退院したばかり。全治1か月の重傷だという。
イワンさん
「私はクマに襲われました」
今月17日。ハイキングで東京・奥多摩町を訪れたところ、イワンさんはクマに襲われたという。見せてくれたのは、その日に着ていた服だ。
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イワンさん
「このTシャツと、そのパンツ」
──うわ、スニーカーにも血が。
イワンさん
「クマを見た時(死を)覚悟しました」
いま東京都内で相次いで目撃されているクマ。都内に最大378頭が生息するとされている。19日には、奥多摩町でクマに襲われた可能性がある上半身のない遺体が見つかっている。
23日、奥多摩町。
バンキシャ!
「ここ、行き止まりですね」
イワンさんがクマに襲われた山道は、今も規制線が張られていた。山には入れないのだ。
イワンさんの顔のガーゼの下には複数の傷があるという。上着を脱ぐと、左腕のほとんどが包帯に覆われていた。
イワンさん
「ここ(左の上腕)に大きい傷があります。15センチくらい」
クマにひっかかれた左腕、その手の甲は大きく腫れ上がっていた。右腕には、クマの爪痕が赤く残っていた。
■男性の行動は…証言をもとに再現

当時、どのような状況だったのか。イワンさんの証言をもとに振り返る。
午前10時。奥多摩駅に到着したイワンさん。趣味のハイキングのため、山の方へ歩き始めた。
午前11時すぎ。山道の入り口へ。このあたりでシカにあった。ハイキング中、こうした動物を見るのは初めてだったという。
さらに山道を進む。数人の登山客ともすれ違った。この日の最高気温は27.3℃。イワンさんは水をこまめに飲みながら進んだ。
リュックの中に入れていたのは……。
イワンさん
「水と食べ物、パンとか」
しかし、クマよけの鈴やクマ撃退スプレーは持っていなかったという。
日本の自然の風景が好きだというイワンさんは、動画や写真を撮りながら山道を進んだ。
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山に入ってからおよそ1時間、森は深くなっていく。イワンさんが撮影した動画には、木製の細い橋を渡るところが収められている。実はこれ、クマと遭遇する1分前に撮影されたものだという。
そして、音がして振り返ると20メートルほど先に黒い影が見えた。
イワンさん
「大きかった。クマだとすぐわかりました」
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イワンさんがその場を動かずにいると、クマは徐々に近づき、気づけば5メートルほどの距離に、イワンさんはクマから目を離さず、静かに後ずさりしたという。
だが──。
イワンさん
「クマは猛スピードで私に向かってきました」
一気に距離を詰められると、クマが立ち上がり、左腕を爪でひっかかれたという。
イワンさん
「一瞬の出来事で、何もできませんでした」
そのときの様子を再現してもらった。
イワンさん
「すぐに音が聞こえました。私はもちろんよけようと思った」
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──すごい速さで来たんですね。
クマは、イワンさんの腕を爪でひっかいたあと、立て続けに顔をひっかいた。時間にしておよそ数十秒。そして遠ざかっていったという。
イワンさんは痛みに耐えながら自ら119番通報をし、助けを待った。
イワンさん
「最初は警察が来て、水を傷に流してくれました。すごく痛かったです。ヘリコプターにのせられて病院に運ばれました」
手術の後、5日間入院。全治およそ1か月の重傷だった。
イワンさん
「生きててよかったです」
■「決して走って逃げてはいけない」専門家

この時のイワンさんの行動について専門家はどう見るのか? ツキノワグマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授に話を聞いた。
まず、イワンさんがクマから目を離さず後ずさった点について。
大井徹特任教授
「正しかったと思います。クマと遭遇した場合には、興奮させないようにすることが必要です。決して走って逃げてはいけません。クマの攻撃行動を呼び起こして、事故に至ることが多いと考えられます」
クマの動きを観察しつつ、ゆっくり離れることが重要だという。一方、クマから攻撃された場合、ある姿勢を取ることが必要だという。
大井徹特任教授
「クマの攻撃に対処できないと感じたらすぐに。地面に腹ばいになる、あるいは体を丸めてダンゴムシの姿勢を取るということが必要です」
クマに攻撃されやすい頭部や腹部を守る必要があるという。さらに、クマから身を守るための道具を持つことも重要だという。
大井徹特任教授
「山に入られる方は、そこにクマがいるということを前提に対策をしてください。クマ鈴、クマ撃退スプレー、こういったものが必要です」
