3列6人乗り新型『テスラ・モデルYL』は、ミニバンではなく究極のファミリーカー 日本上陸でわかった「最近」と「最新」
2026年第1四半期、世界で約40万台の車両を生産
テスラの最新作『モデルYL』の日本導入が開始された。今回、実車を見て、触って、短時間だが乗る機会を得た。その概要と印象を紹介する前に、最近のテスラの状況について報告しておこう。
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2026年第1四半期、テスラは世界で約40万台の車両を生産した。これは前年同期比で13%増の数値だ。『モデル3』と『モデルY』(およびモデルYL)が大半を占めるが、『サイバートラック』なども1万3000台以上生産されている。

テスラの最新作『モデルYL』の日本導入が開始された。 篠原政明
テキサスでは『サイバーキャブ』、ネバダでは『セミ』(産業用トラック)のパイロット生産を開始した。発売が心待ちにされている『ロードスター』もそろそろ正式発表される予定。家庭用や産業用の蓄電池といったエネルギー部門も好調だ。
テスラが日本に送り込んだ最新作
そして、テスラが得意とする自動化は工場でも進んでおり、ベルリン工場ではタイヤが装着された時点でテスラ車は製造工程を自動で進み、完成すると自分でヤードに向かい、空いた場所を見つけて駐車。もちろん、その過程で歩行者や他のクルマを認識すると停止しながら走行する。
テキサス工場には広大なAIデータセンターを建設中で、人型ロボット『オプティマス』の工場も建設される。

3列目シートを持つ6人乗りモデルとなる。 篠原政明
FSD(フル・セルフ・ドライビング=完全自動運転)も進化しており、累計走行距離は144億kmに達した。テキサス州のダラスやヒューストンをはじめ、カリフォルニアやフロリダ、ネバダなど多くの州でロボタクシーのサービスを開始し、2026年第1四半期の走行距離は290万kmにも及ぶ。これは日本のタクシーなら、70万回くらいの使用に匹敵するという。
そんなテスラが日本に送り込んだ最新作が、3列6人乗りのオールラウンドSUV『モデルYL』だ。
世界で最も売れた乗用車の進化版
その名前が示すように、モデルYLは2023年に世界で最も売れた乗用車(エンジン車を含む)となったモデルYの進化版だ。
モデルYの全長を190mm、ホイールベースを150mm延長しているが、ただボディを伸ばしただけではない。ルーフラインやボディ下部を再設計し、新デザインのリアスポイラーも採用した。

モデルYの全長を190mm、ホイールベースを150mm延長した。 篠原政明
これらにより空気抵抗係数(Cd)は0.216と、モデルYの0.22はもちろん、モデル3(セダン)の0.219より良い数値を達成。
空気抵抗が少ないほどエネルギー消費量は減り、航続距離は延びる。テスラはバッテリー総電力量や駆動用モーターのパワースペックは公表していないが、一充電あたりの航続可能距離はモデルYの547〜682kmに対し、788kmと大幅に延びている。
いわゆる『メーター』はなし
カードキーでBピラーにタッチするとロックが解除され、センターコンソールにカードキーを置き、ブレーキペダルを踏めばシステムが立ち上がる。
コクピットの風景は、モデルYと基本的に変わらない。インパネ中央に16インチのタッチスクリーン、ステアリングホイールの左右スポークにスイッチ、そしてウインカー用のレバーがあるくらいで、いわゆるメーターのようなものはない。

コクピットの風景は、モデルYと基本的に変わらない。 篠原政明
ATセレクターもなく、タッチスクリーン右上の表示を上にスワイプすればD、下にスワイプすればR、間をタップすればPとなり、まさにスマホ感覚だ。
その走りはテスラらしい、電気自動車そのもの。静かで快適で、2トンを超える車両重量を感じさせないほど加速は力強い。なお、加速や減速(回生)のレベルはタッチスクリーンで調整が可能だ。
どの席に座っても乗り心地は良い
運転を代わってもらって2、3列目にも乗ってみたが、どの席に座っても乗り心地は良い。これにはリアタイヤのサイズアップや電子制御ダンパーも奏功しているようだ。
特に2列目は電動で昇降するアームレストやベンチレーション&ヒーターも備わり、ここがモデルYLの特等席と思わせる。

その走りはテスラらしい、電気自動車そのもの。 上野和秀
2列目からウオークスルーして乗り込む3列目も、ヘッド&フットスペースは十分。走行中に運転席と3列目で普通に会話できるなど、静粛性もきわめて高い。
ラゲッジルーム側からスイッチひとつで、2、3列目のシートバックを倒せるのも便利だ。ラゲッジスペースは最大2539Lと広大で、フロントにも117Lのフランクが備わる。
ちなみにハザードスイッチはフロントウインドーの上にあり、ヘッドランプやエアコン、ドアミラーなど、ほとんどの調整をディスプレイで行うなど、インターフェースは独特で他のクルマから乗り換えると違和感は大きい。だが、このクルマだけに乗って慣れてしまえば問題はない。
ありきたりな6人乗りSUVではなく
テスラはこのモデルYLをミニバンと呼ばず、『究極のファミリーカーを目指した』と謳っている。しかも、ありきたりな6人乗りSUVではなく、広い室内空間と高い汎用性、そして利便性と安全性を備えた、妥協のない、家族旅行などにも最適なテスラ車と強調する。
なお国の補助金は127万円となり、今注文して6月30日までに納車されれば、スーパーチャージャーを利用した充電料金が3年間無料になるという。日本のデザインが強いラージサイズミニバンに辟易している方なら、このモデルYLを選択肢にするのも悪くないだろう。

2列目はモデルYLの特等席と思わせる快適さ。 篠原政明
テスラ・モデルYLのスペック
全長×全幅×全高:4980×1920×1670mm
ホイールベース:3040mm
車両重量:2090kg
モーター:交流同期電動機×2
最高出力:未発表
最大トルク:未発表
WLTCモード航続距離:788km
駆動方式:4WD
タイヤサイズ:F255/45R19 R275/45R19
車両価格:749万円

テスラ・モデルYLの価格は749万円となる。 篠原政明
