同伴出勤した飼い犬のそばで仕事をする医薬品会社の女性=2026年4月、韓国・龍仁(共同)

 日本以上に急激な少子化が進む韓国で、犬を中心としたペットを家族の一員だと考える人が増えている。企業側も福利厚生の一環としてペットと同伴出勤できる制度を導入するなど、新たな取り組みを進めている。(共同通信ソウル支局=井上千日彩)

 「犬の存在が同僚とのコミュニケーションに役立っている」。ソウル郊外の京畿道龍仁市の動物用医薬品会社で、従業員の白那恩さん(28)が8歳になる飼い犬のポメラニアンをなでながら語った。月に1〜2回ほど一緒に出勤する。リフレッシュしたい時に一緒に散策することで「思わぬアイデアが生まれることもある」という。

 同社の広報担当者によると、同伴出勤の制度は2025年12月に試験導入し、このほど正式に開始。ペット産業に携わる企業でもあり「ペットを自宅に残して出勤する社員の精神的負担の軽減が企業の役割だ」と判断した。同伴相手のほとんどは犬だが、中にはトカゲもいるという。原則として事前申請が必要になるものの、毎日連れてくることも可能だ。動物病院の診療費を補助する制度も設けた。

 民間研究機関が2025年に発表した報告書では、韓国でペットを飼育する世帯は24年末時点で591万世帯。全世帯の約27%を占めた。「ペットは家族」と考える割合は、ペットがいる場合が約87%。いない場合で約68%だったが、2018年の約50%から大幅に増加している。報告書は「社会的認識が変化した」と指摘した。

 「出産せずにペットを飼う」という選択をする若者も多いとされる。韓国メディアによると、2021年の調査では1人世帯のペット飼育率は約52%で、2人に1人以上が飼っている計算になる。

 企業側はペット手当の支給やペットが死んだ際の香典、休暇制度を充実させている。韓国メディアは、1人世帯が急増して「ペットが唯一の家族だという人が増えている点を企業も見過ごせなくなった」と解説している。

同伴出勤した飼い犬をなでながら話す医薬品会社の白那恩さん=2026年4月、韓国・龍仁(共同)

同伴出勤した飼い犬やトカゲと一緒にポーズを取る医薬品会社の従業員=2026年4月、韓国・龍仁(共同)

同伴出勤した飼い犬やトカゲを互いに紹介する医薬品会社の従業員=2026年4月、韓国・龍仁(共同)

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