転倒→「かなり痛かった」→独走V 日本新から8か月…米国で進化を後押しした「努力してる天才」
陸上・静岡国際
陸上の静岡国際は3日、静岡・エコパスタジアムで行われ、女子3000メートル障害で日本記録保持者の齋藤みう(パナソニック)が9分31秒83で圧勝。転倒するアクシデントがありながらも、9月のアジア大会派遣標準記録(9分37秒26)を切り、力の差を見せた。4月には米国アルバカーキで合宿を行い、田中希実、廣中璃梨佳らと共に練習。世界を知る先輩たちから刺激を受け、更なる飛躍を誓った。
レコードホルダーの貫録を見せつけた。齋藤は序盤から先頭に立ち、後続との差をぐんぐん広げる。雨の中のレースでも、果敢に攻めた。4周目の水濠ではまさかの転倒。「水濠でこけたのは初めて。かなり痛かった(笑)」。それでもすぐに立ち上がり、地元の声援を受けて走り切った。
昨季日本選手権覇者の2位・西山未奈美に17秒64差をつける圧勝。「こけた中では良いタイムだったと思う。最初から突っ込んでも後半落ちないレースができたらいいなと思っていて、イメージ通りにはできたのでそこは良かった」と及第点を与えた。
静岡出身の23歳。伊豆中央高から日体大を経て、社会人1年目だった昨年9月の東京世界陸上で、従来の日本記録を9秒21上回る特大レコード9分24秒72を記録し、決勝進出まであと一歩に迫った。
田中、廣中らとの練習で実感「努力してる天才」
そこから8か月。報道陣の前で「地力がついた感覚がある」と胸を張る。要因の一つは4月に行った米国アルバカーキでの合宿。中長距離でそれぞれ世界大会入賞の実績を持つ田中や廣中らと、共に練習を積んできた。
「やっぱり『努力してる天才だな』と思ったし、あの人たちに追いつくためにはもっと頑張らなきゃいけないと思った。そういうのを感じられただけでもすごく収穫だった」
3000メートル障害は今、日本で注目を集める種目の1つ。男子では三浦龍司が世界大会で入賞するなど活躍し、昨年の東京世界陸上ではメダルまで1秒34に迫った。
更なるレベルアップへ。齋藤は「他の種目でも戦える選手にならないといけない」とフラットレースでの強化も口にする。9月のアジア大会に向けては、5月10日の1万メートル選考レース(木南記念)と6月の日本選手権で1500メートル、5000メートル、3000メートル障害の4種目で挑戦予定。「負けず嫌いなので、どれでも負けたくない」と力強い。
もう一つ上のステージへ。情熱を燃やし続ける。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)
