「フィジカル的にも戦術的にも類まれな一戦」5−4のCL準決勝をスペイン紙記者が分析「サッカーの本質を説明するのに、この試合以上の教材はない」【現地発】
開始から終了まで、その途切れることのない連続性ゆえに格別なものとなった。VARの介入がことさら余計に感じられたのは、ファンも、画面越しに観戦した者も、主審シェーラーが下す決断なら、たとえそれがどのようなものであっても受け入れる準備ができていたからだ。
1955年、ヨーロッパチャンピオンズカップ(現CL)の創設をレアル・マドリー会長のサンティアゴ・ベルナベウと共にフランスの『レキップ』紙が牽引したことは、おそらく偶然ではない。これほど壮大な大会を勝ち抜くための確かなレシピなど存在しないが、現王者PSGは、バイエルンに阻まれない限り、タイトル防衛の最有力候補である。
両チームは、身体的にも戦術的にも、また集団としても個としても、類まれな一戦を提供した。決定力と、スポーツの醍醐味である不確実性において、これほど純度の高い一戦はない。勝敗のリスクを可能な限り最小化するために大会方式さえ管理しようとするスポンサーや投資家たちも、それを思い知ったはずだ。
火曜日の夜、ピッチにはフットボールの充足感が満ちていた。目まぐるしく変わる展開、リズムと強度。5−4というスコアを含め、どのような結果になろうとも、決して屈せず、言い訳もせず、互いに牙を剥き出しにした両雄の勇気と貪欲さがそこにはあった。
得点シーンはどれも、居並ぶ6人のアタッカーの質の高さが凝縮されていた。PSGはドゥエ、クバラツヘリア、デンベレ。バイエルンはルイス・ディアス、オリーセ、そしてケイン。とりわけ32歳になったイングランド人ストライカーは、タイトルの数を超えた、いかに特別な選手であるかを改めて証明した。
局面局面で、最高レベルの要求に即した状況判断力を発揮し、ヴィティーニャ、ジョアン・ネベス、ザイール=エムリによって数的不利を強いられていた中盤を助けるという、決定的な役割を果たした。ケインは、パリでの「最高の一戦」における「最高のなかの最高」であろうとし、それを成し遂げた。
卓越した個の力を示しながら、各選手はチームのために身を捧げ、ルイス・エンリケとコンパニ、両指揮官の明確な哲学に忠実であり続けた。ともに極めて攻撃的な布陣を敷き、ボールに対して貪欲で、一切の出し惜しみをしない。
その戦いぶりは、たとえ4失点しても「もう1点多く取った方が勝ち」という小学校の校庭での遊びの延長にある純粋さを、欧州最高峰の舞台で体現しているようだった。パリから発せられたメッセージは、バルセロナが昨夏に獲得を逃したルイス・ディアスのような違いを作れる選手を補強できるなら、フリック監督の提唱するスタイルが正解であることを裏付けている。
また、同時にレアル・マドリーにおけるエムバペの立ち位置を改めて考えさせるものでもあった。今のPSGに、かつての背番号10への未練はない。
利己主義や拝金主義、単なるビジネスとしての興奮。そうした歪んだ崇拝は、この一戦によって深いダメージを負った。勝利したのは連帯感であり、チームスポーツとしてのフットボールが持つ純粋で自然な魔力だった。
無機質なビデオ判定による分断を排し、ファンの感情に寄り添った大激戦は、パルク・デ・プランスの観衆にとって野性的で、あまりにも美しかった。結果の予測がつかない連続性こそが、あらゆる作為や欺瞞、広告、そしてVARの過剰な介入に対する、唯一にして最高の回答である。水曜日にミュンヘンで行われる第2レグが、待ち遠しくてならない。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
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