市場が読む自動車業界 日経平均最高値更新は「世界の潮流はEV」の証か(中西文行)
【経済ニュースの核心】
やはり万博EVバスは現場でも悪評ふんぷんの“いわく付き”だった…販売元が負債57億円で再生法申請
3月の欧州連合(EU)域内の新車販売台数は、前年同月比12.5%増の115万8316台だった。
電動車の販売が好調で、ハイブリッド車(HV)が20.1%増の44万4835台、電気自動車(EV)が48.9%増の23万4532台、プラグインハイブリッド車(PHV)が28.2%増の10万5414台。一方、ガソリン車は9.4%減の26万2617台、ディーゼル車も12.3%減の8万3739台と明暗が分かれた。
「武漢製、世界へ」をテーマにした中国・欧州自動車産業協力交流会が、4月14日にパリで開かれた。武漢経済技術開発区(略称・武漢経開区)党工委書記の劉子清氏はあいさつの中で、中国・フランス合弁の神龍汽車について、中国で最も早く設立された合弁自動車メーカーの一つであるとした。
中国自動車工業協会の3月の新車販売台数(輸出含む)は、前年同月比0.6%減の289万9000台で前年割れは4カ月連続だが、EVは3.2%増の83万1000台と伸びた。
2023年の国別自動車保有台数ランキングは、1位米国2億8803万台、2位中国2億7339万台、3位日本7846万台である。ただ、人口14億人の中国が、日米市場のように約2人に1台となれば、中国の保有台数は、いずれ7億台になるだろう。しかもそれはEVのみとなるだろう。
ドイツの自動車市場研究機関、自動車経営センター(CAM)が4月21日に公表した「26年自動車イノベーション報告書」によると、中国メーカーの比亜迪(BYD)は157ポイントを獲得。昨年首位のフォルクスワーゲンを抜いて初めて世界自動車業界イノベーションランキングで首位となった。
トランプ米大統領は、地球温暖化は詐欺だとして、ガソリン車を優遇している。しかし、次期大統領が民主党から選出されれば、再びEVなど環境重視の政策が推進されるだろう。
自動車各社は長期的視野の経営が重要で、EVは自動運転機能との相性が良い。自動車は産業の裾野が広く日本経済の土台、兵器輸出を増やしても、自動車の市場規模の足元にも及ばない。中国・欧州で興隆するEV抜きの経済成長はあり得まい。
4月に日経平均株価は史上最高値を更新したが、その要因はEVなど半導体需要の急増で、日経平均株価の構成銘柄の一部値がさハイテク株、半導体関連株の値上がりである。
EVはガソリン車と異なり、自動運転機能など一段と電装化が進み、半導体の塊となった。日経平均株価は「世界の潮流はEV」と見なしているようだ。
(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)
