4月30日(現地時間)、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス執務室で退職貯蓄関連の行政命令に署名し、取材陣と言葉をかわしているドナルド・トランプ米国大統領。AP=聯合ニュース

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イラン戦争の局面で、米国内の野党や一部メディアから精神鑑定が必要だという攻撃を受けていたドナルド・トランプ大統領が4月30日(現地時間)、任期中に精神健康検査を3回受け、どれも満点で通過したと明らかにした。自身を巡って一部で提起された精神健康異常説を真っ向から突破する意志の表れと解釈される。

トランプ大統領はこの日、ソーシャルメディアに投稿し「大統領や副大統領に出馬する人は誰でも、選挙戦に入る前に必ず認知能力検査を受けなければならない」と主張した。続けて「そうすればバラク・『フセイン』・オバマや『スリーピー(眠れる)』・ジョー・バイデンのような人々の当選に驚くことはなくなり、わが国ははるかに良い場所になるだろう」とした。

トランプ大統領は特に、在任期間中に自身が認知能力検査を3回受けたといい、「3回とも満点だった。医師らによると、このような成果は前例がほとんどなかったという」と述べた。

トランプ氏が認知能力の問題を政治争点化したのは今回が初めてではない。2020年大統領選挙と2024年大統領選挙の序盤、高齢不安が浮上したジョー・バイデン当時民主党候補を狙って「精神的に適していない」と繰り返し攻撃していた。ただし、トランプ大統領のこの日の発言は、イラン戦争の局面で意思決定方式と判断力を巡る懸念が広がる中で出たものであるため注目される。

トランプ大統領は4月7日、イランに終戦交渉案の受け入れを促し「合意しなければ、一つの文明全体が抹殺されるだろう」と述べ、戦争犯罪論争を巻き起こした。また「あの忌々しい海峡を開けろ。この狂った野郎ども(crazy bastards)」など、フィルタリングされていない暴言をそのまま使ったり、自身をイエスになぞらえたような合成画像をソーシャルメディアに何度も投稿したりしており、精神的に不安定な状態ではないかという論争が民主党と一部メディアから出ていた。

米下院司法委員会の民主党幹事であるジェイミー・ラスキン議員は先月10日、ホワイトハウスの主治医に送った公開書簡で、大統領の発言が「気まぐれで一貫性がなく、正気とは言えないレベル」と主張し、認知能力および神経学的状態に対する全面的な調査を要求した。民主党は大統領の死亡・辞任・罷免または職務遂行不能時に副大統領が大統領職を承継したり職務を代行したりする「修正憲法第25条」の発動の可能性まで言及し、大統領の職務遂行能力に対する点検の必要性を提起した。

ニューヨーク・タイムズ(NYT)も「支離滅裂で、時には下品な発言まで吐き出した一連の発言は、トランプ大統領が権力に酔った正気ではない独裁者だという印象を残した」と批判した。

このような状況で出たトランプ大統領のこの日の発言は、自身の認知能力は最上の水準を維持しており、むしろ野党の前職大統領らの精神健康に問題があると主張することで、論争を正攻法で打開しようとする試みと分析される。大統領のリーダーシップ論争を沈静化させるための、もう一つの政治的な修辞である可能性が高いという意味だ。

実際に米国で大統領・副大統領候補に対する認知能力検査の法制化は、論争を呼びかねない事案だ。米国憲法は大統領候補の資格を「満35歳以上、米国出生の市民、14年以上居住」と規定しているが、健康状態や精神能力に関する別途の要件は設けていない。これを義務化するには憲法改正レベルの議論が必要だ。過去の大統領選挙でも高齢候補の健康問題は何度も争点になったが、精神健康検査の制度化にはつながらなかった。