日本に移住してほどなくして、日本の運転免許証を取得したダン。カナダでは左ハンドルの右側通行だったものの今ではすっかり右ハンドルも左側走行にも慣れた様子。そんなある日のこと、コンビニまで車で行く途中に路地から大通りに出ようとしたダンは、大通り沿いの歩道を歩いてくるランドセルを背負った7〜8歳くらいの女の子に気付きました。

女の子は私たちの車に気づいて一度立ち止まったものの、ダンが車を一時停止させて女の子を先に行かせるために手を横に振りながら「行っていいよ」と合図。すると女の子は足早に走り渡ると、くるっとこちらを向いて丁寧にお辞儀をしてくれたのです。女の子の礼儀正しい姿にダンはかなりハートを鷲掴みされ、胸キュン状態だったようです。

日本では、ほとんどの家庭で子供の頃から他人、または物への感謝を忘れないよう教えられてきます。同じようなシーンがカナダだと、「サンキュー」の合図で手を挙げるか、または無視してそのまま渡る。そんな中で暮らしてきたカナダ人であるダンが、日本でこんなに小さな子供にお辞儀までされて感謝を示されたのは初めての経験だったようです。

◆日本の何が好きなの?

日本での生活を楽しんでいるダンは、近所のホームセンターの店員さんやコンビニのお姉さんといった人たちと触れ合うたびに、日本人の誠実さや優しさに感動するのだそうです。そんなダンに今回の執筆を機に改めて「日本の何が好きなの?」と聞いたところ、最後にこんな風に答えていました。

「だってみんな礼儀正しいし優しいんだよ。それに街も清潔で安全だし富士山や江ノ島とか行ったけど、日本にはそれ以外にもとっても美しい景色がたくさんあるでしょ。それになんと言っても食べ物の味と質が飛び抜けて素晴らしいんだ。日本に住めてうれしく思うよ」

<取材・文/Masumi Maher(海外書き人クラブ)>

【Masumi Maher(海外書き人クラブ)】
2024年に長年住んでいたカナダ・バンクーバーを後にして夫婦で日本に移住。現在、千葉県で購入した築古の空き家を夫婦でリフォームしながら暮らす日々。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員