精悍なリア周りもイイ! スズキ「XL7」がスゴい!

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日本でも欲しい! 手頃な「7人乗り」という選択肢に興味津々

 スズキのタイ法人は、2026年3月25日より4月5日までタイで開催された第47回「バンコク国際モーターショー2026」に、現地で展開する各モデルを出展しました。

 そのなかでも「XL7」は、コンパクトな3列・7人乗りのミニバンパッケージングと、SUVテイストを強調したスタイリングが特徴的でした。

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 特別仕様車「ブラックエディション」も展示され、「選ばれる理由」まで意識された一台です。

 スズキのインドネシア法人が製造するXL7は、2020年に登場した日本未導入の小型クロスオーバーミニバンです。

 最大の特徴は、全長4450mm×全幅1775mm×全高1710mmというコンパクトなボディに、7名乗車を成立させているパッケージングにあります。

 日本市場にも、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といった多人数乗車に対応するコンパクトモデルは存在しますが、いずれも低床ミニバンという成り立ちです。

 それに対してXL7は、流行りのSUVスタイルを採用しながら、7名乗車を成立させています。

 外観は直線基調のデザインを採用し、大型ヘッドランプとグリルを中心に力強いフロントマスクを構成。ブラックアウトされた前後バンパーやフェンダー、シルバー加飾のアンダーガードによって、クロスオーバーSUVらしいタフさが強調されています。

 ルーフレールも備わり、最低地上高も本格四輪駆動車「ジムニー」並みの200mmを確保するなど、実用性とデザインの両面でSUVテイストが強く打ち出されています。

 後席ドアはヒンジ式ながら開口部が大きく確保されており、乗降性にも配慮された設計となっています。スライドドアを持たない代わりに、SUVとしてのデザイン性とパッケージ効率を両立させています。

 インテリアは9インチのセンターディスプレイを中心としたオーソドックスな構成で、操作系も含めて扱いやすさを重視したレイアウトです。

 シートは2-3-2の7名乗車配置となりますが、ウォークスルー機構は備わらず、3列目へのアクセスは、2列目シートを前方にスライドさせたうえでシートバックを前倒しし、その隙間から乗り込む方式です。

 筆者(自動車ジャーナリスト 吉川賢一)がバンコクショーの会場で実際に3列目へ座ってみたところ、膝前スペースはコブシひとつ分が収まる程度で、余裕があるとはいえません。

 ただし頭上空間には一定の余裕があり、圧迫感は比較的抑えられています。

 長距離移動には向かないものの、短時間であれば大人でも実用的に使えるレベルには仕上がっています。

 パワートレインは、1.5リッターガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせています。

 フルハイブリッドのようなEV走行はできませんが、そのぶん燃費性能とコストのバランスを重視した現実的な構成といえます。

 実際、タイ市場での販売価格は82万5000バーツ(約408万円/2026年4月中旬のレート換算)からと、7人乗りのクロスオーバーモデルとしては比較的手の届きやすい水準に設定されています。

 またバンコクショー会場では、特別仕様車「XL7ブラックエディション」も展示されていました。

 外観の質感を高めることで、「実用車」にとどまらない商品性を与える狙いが見て取れます。

 日本ではコンパクトな3列シート車の選択肢が限られており、実質的にはシエンタとフリードの2車種に集約されています。

 一方でSUV人気は依然として高く、「ミニバンは避けたいが多人数乗車には対応したい」というニーズも確実に存在すると思われます。

 現時点でXL7が国内に投入される具体的な動きは確認されていませんが、このクルマはまさにその隙間を埋める存在。

 スライドドアを持たない点は懸念材料となるものの、新たな選択肢として一定の評価を得る余地は十分にあるのではないでしょうか。

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 コンパクトなボディに3列シートを成立させた実用性と、SUVスタイルを両立したXL7。

「3列=ミニバン」という日本の常識に、そろそろ別解があってもよいのかもしれませんね。