ソニーから7年ぶりのレコードプレーヤー登場。この春、レコード生活を始めたい人にぴったりでした

春は、新生活の季節。心機一転、なにか新しいことを始めたくなりますよね。たとえば、「レコードのある暮らし」はどうでしょうか。

ここ数年続くレコードブームもあって、再生環境が無くても、飾って楽しむためにレコードを買う人もいるのだそう。でも、せっかくなら再生して、レコードの音も味わいたいもの。

ただ、何から始めたらいいのか、初心者にとっては分からないことも多いですよね。そんな人の背中を押してくれる、おすすめのモデルが登場しました。

それが、ソニーのレコードプレーヤー「PS-LX3BT」(実売41,000円前後)と、「PS-LX5BT」(同50,000円前後)です。

初めてのレコードプレーヤーは、“不安なく始められる”ことが大事

私も、2年前の春に「レコードのある暮らし」を始めた一人。今でこそ日常的にレコード再生を楽しんでいますが、最初は何から始めればいいのかもわかりませんでした。

初心者の方が持つ不安って、大半がこの「何から始めればいいのか分からない」だと思います。レコードや機材の「扱い方」や、「そもそも何が必要なのか?」など、音質の前に “入り口” で立ち止まってしまうんです。

だからこそ、最初に大事なのは「不安なく始められる環境」。いきなり難しいオーディオ機器を揃えるよりも、手頃で扱いやすいシステムでレコード再生を楽しめるようになれば、その後のレコードライフもぐっと楽しいものになるはずです。

最初は音よりも、「不安なくレコード再生ができる」ことが大事

ソニーの「PS-LX3BT」と「PS-LX5BT」はまさに、そんな初心者に向けて作られたレコードプレーヤー。不安なくレコードを楽しめる機能が充実しています。

ポイントは「フルオート式」「Bluetooth送信対応」「フォノイコライザー内蔵」の3点です。

フルオート式とは、レコード再生を自動で行なえる機能のこと。レコード盤をセットし、サイズと回転数を選んでスタートボタンを押せば、トーンアームが自動で動いて、再生位置にそっと針を落としてくれます。とにかく操作が簡単なのが魅力です。

再生も停止も、ボタンを押すだけ。フルオートは初心者向き

とはいえ、自分でアームを動かして針をレコード盤に落とす、あの動作こそレコード再生の醍醐味でもあります。そんなときは「UP/DOWN」ボタンを使えば、自分で再生位置を調整することも可能です。

トーンアームに指をかけて移動させ、もう一度「UP/DOWN」ボタンを押したら、好きな位置から音楽再生がスタート。いわゆる「針をレコード盤に落とす」動作とは少し違いますが、「レコードを再生している」という実感を味わえます。

トーンアームに指を引っ掛けて、自分の手で再生位置の移動ができます

いざ音を聴くときには、Bluetooth送信に対応しているので、手持ちのワイヤレスヘッドフォンやスピーカーに接続するだけでOK。BluetoothのコーデックはSBC、aptX、aptX Adaptiveに対応し、最大96kHz/24bitの高音質でも楽しめます。

Bluetoothボタンを長押しで、ペアリングモードに

また、フォノイコライザー内蔵という点も重要です。レコードの再生には本来、レコードプレーヤー以外に「フォノイコライザー」と「アンプ」が必要になります。

ざっくり言うと、フォノイコライザーは、レコードに刻まれた音の信号を適切なバランスに補正する機能。アンプは、音の信号をスピーカーで鳴らすために増幅する役割をになっています。

本来はそれぞれ専用の機材が必要ですが、フォノイコライザー内蔵モデルなら、プレーヤーだけで済むのがメリット。アンプは再生機器によりますが、ワイヤレスの再生機器には基本アンプが内蔵されているので、最初は手持ちのワイヤレスヘッドフォンやスピーカーで聴くつもりなら、プレーヤーさえ準備すればOKです。

必要機材がシンプルだと、レコード再生のハードルも下がります

「揃える機材が多い」というのも、レコード再生のハードルの一つ。CD世代の私も、以前はアンプの存在を意識していなかったし、最初から買うものが多いと、お金も気持ちも「ちょっとなあ……」となりがちです。

でも、「いつもの環境に1つプラスするだけで、レコードが楽しめる」と思えば、ぐっとハードルは下がりますよね。だからこそ最初は、便利な機能がついた最新モデルを選ぶのがおすすめです。

電源はUSB-C給電で現代仕様に。USB経由で録音もできちゃいます

暮らしに映えるデザインは、“ジャケ買い”もあり

初心者が気軽にレコードを始められるプレーヤー。ここまで「PS-LX3BT」と「PS-LX5BT」をそう紹介してきましたが、私自身がこの2機種に注目した理由は、実は別にあります。

それが、デザインです。ミニマルながらどこかポップさもあって、インテリアとしても可愛いんですよね。ぱっと見はモダンな印象だけど、木目のヴィンテージ家具に合わせてもいいし、流行のモジュール家具との相性も良さそう。幅広い空間に馴染んでくれます。

「PS-LX3BT」。スタートボタンだけ緑なところも可愛い

よく見ると「PS-LX3BT」は、本体がブラックではなくてグレー。だいたいブラックか木目で、他の色となるとホワイトやレッドなどが多い中で、他にない色使いが◎。空間に柔らかく溶け込む、チャコールグレーの色合いがいい感じです。

PS-LX3BTの筐体はグレー。グレーって珍しい気がするんですよね。馴染みのいい色合いで好きです

一方の「PS-LX5BT」は、マットな質感のオールブラック。トーンアームなどパーツの形状もシンプルに作られていて、洗練された印象に仕上がっています。そんな中でも、緑のスタートボタンや、カートリッジのイエローで、かわいさを感じさせてくれるのも、いい!

「PS-LX5BT」。イエローのカートリッジが、オールブラックの中で鮮やかに光ります

普通は見た目だけでモノを選ぶと、中身がイマイチなこともありますが、PS-LX3BTとPS-LX5BTなら、その心配は不要。ここまで紹介した通り、機能も使いやすさもバッチリなので、 “ジャケ買い” も十分アリです。

主張しすぎない、素直なサウンドが好印象

実際にレコードを鳴らしてみる前に、PS-LX3BTとPS-LX5BTの基本スペックを簡単に紹介しておきましょう。

いずれもベルトドライブ方式を採用し、アルミダイキャスト製プラッターを搭載。トーンアームには新設計のダイナミックバランス型が採用されています。

アームの先には、MMカートリッジを装備。筐体や内部設計にも多くの工夫を凝らし、振動を抑えて安定した再生を実現しています。

「PS-LX3BT」はエントリーモデルの位置付け。レコード針の針圧は3.5±0.5gとやや重めの設定で、レコードの溝をしっかりとトレースし、クリアな中高音とパワフルな低音が楽しめる点が特徴です。

「PS-LX3BT」は実売41,000円前後

「PS-LX5BT」は、すでにレコード再生を楽しんでいる方のステップアップにも適した上位モデル。カートリッジを搭載しているヘッドシェル部分を強化しているほか、LX3BTよりもグレードの高いレコード針が使われています。プラッターに設置するマットも、より重く厚いゴムマットになっています。

針圧は2.0±0.5gと軽く、レコードの溝をより繊細に読み取ることで、ディテールのクリアさ、広いサウンドステージを実現。金メッキのRCA出力端子を備えており(LX3BTはRCAケーブル直出し)、好きなケーブルを使うことができる点も、ステップアップを見据えた仕様と言えますね。

「PS-LX5BT」は実売50,000円前後

まずは「PS-LX3BT」をセットして、Wet Legの「CPR」を再生してみました。聴こえてきたのは、思っていた以上に素直なサウンド。もっと低音が効いてくるかと思っていたけれど、そんなに主張は激しくなくて、いい意味であっさりした聴きやすい音です。

フラットとはまた違うんだけれど、ナチュラルさを感じるサウンド

正直に言えば、情報量には不足を感じるところも。けれど、音の芯はしっかり鳴っていて、音楽のバランスは崩れません。集中して聴き込むというより、気軽にレコードを楽しむのにちょうどいい音質だと思います。

PS-LX5BTで同じ盤を再生すると、明らかに音質が変わるのが実感できます。分かりやすかったのは、シンバルやスネアの音。情報量がぐんと増えて、シンバルやスネアの響きの成分まで聞こえ、音の質感が明瞭になります。

明らかに音質が引き上がることを実感した「PS-LX5BT」

最初は設置場所の違いもあったので、置き換えて2台とも同じ環境で聴き比べましたが、やっぱり違いは明らか。PS-LX5BTでは中高音域もよりクリアに感じられ、音楽に厚みや奥行き、広がりも出て、ゆっくりと味わいたくなるサウンドを楽しめました。

実は私、ソニーのオーディオ機器を使うのが、だいぶ久しぶりで。仕事で製品に触れる機会はあったけれど、個人的に音楽を楽しむために使ったのは、思い返せばXBAシリーズ以来かもしれません。

なので、これが「ソニーらしい音」なのかどうか?と聞かれれば、私には判断がつきません。ただ共通して感じるのは、聴き心地の良いサウンド。特徴的ではないけれど、日常に取り入れやすい音だと思いました。

ソニーの音かはわからないけれど、聴きやすいサウンドは日常使いにピッタリ

ちなみに、今回の試聴環境はBluetoothによるワイヤレス再生です。なので、先に断っておくと、プレーヤーの真の実力をフルに体感できたわけではありません。

でも、いま最も使われるであろう再生環境は、やっぱりワイヤレス。一番リアルな使用環境とも言えます。そういった意味でも、普段によく使う再生環境で聴く音が、「日常に取り入れやすい音」なのは、すごく大きなメリットではないでしょうか。

概ね快適でしたが、カバーに触れる際に、いつもより音飛びがしやすかったのが気に掛かりました。途中で何度も盤を変えたりしなければ大丈夫ですが、少し惜しいなと感じました。

好きな一台を選んで、自分だけのレコードライフを楽しもう

レコードプレーヤーやレコードも、決して安い買い物じゃないだけに、できるだけ失敗したくないし、適当に選んで後悔したくないものです。

最終的に何を重視するかは人それぞれですが、もし今「レコードに憧れるけれど、再生するのはハードルが高い」と思っていて、その理由がプレーヤー選びにあるなら、ぜひ一度PS-LX3BTとPS-LX5BTをチェックしてみてほしいです。

デザインや手軽さで選んでも、十分にレコード再生を楽しめて、音楽を聴く時間をちょっと特別なものにしてくれる。そんな暮らしを彩る存在になってくれると思います。