日本代表は4度目の対戦で初めてイングランドを撃破した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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 森保一監督が率いる日本代表は現地3月31日、ロンドンにある聖地ウェンブリーでイングランド代表と対戦。23分に中村敬斗のアシストで三笘薫が奪ったゴールを守り切り、1−0で熱戦を制した。

 4度目の挑戦にして、初めてフットボールの母国撃破を果たした。日本中が沸いたこの一戦を、日本サッカーを熟知するブラジル人記者、チアゴ・ボンテンポ氏はどう見たのか。

 サンパウロから28時間かけて来日する直前で、空港にいるボンテンポ氏から話を訊いた。

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――森保ジャパンがイングランド相手に見事に勝利しました。まず、試合前にどんな結果を予想していましたか?

「イングランドのスタメンを見た時に『多分、勝てる』と思いました。今日は日本が現状のベストメンバーだったのに対し、イングランドはたくさんのキープレーヤーを欠いていたこともあったので、最初から『勝てる試合』だと思っていました。もちろん日本はウェンブリーで勝ったことがなかったし、世界のどの代表でも簡単なことじゃないですけどね。

 試合前に私が考えていたのは、もし日本が勝利した場合、ワールドカップ前に非常に高い期待感が生まれる可能性があり、それはあまり良いことではないだろうということでした」
 
――確かにイングランドはキャプテンでエースのハリー・ケインをはじめ、多くの主力が欠場しましたね。試合を終えた今は、どんな感想をお持ちですか?

「日本は守備的には非常に良い試合だったと思いました。前半のイングランドの枠内シュートはゼロで、後半も3本しかなかったんですね。聖地のウェンブリーでそれは信じられないほどの偉業ですね。最後まで継続させた集中力も褒めたいです。

 一方、イングランドは非常に出来の悪い試合をし、創造性が全くありませんでした。確かに、多くの主力選手を欠いていたのは事実ですが、ワールドカップ優勝候補のチームであれば、もっと良いパフォーマンスを期待するのは当然です。終盤になってようやく得点チャンスを作り出しましたが、その攻撃は組織的ではなく、空中戦に頼るばかりでした」

――最も良かった日本の選手を1人挙げるとすれば?

「三笘がMVPだと思います。試合を決めたゴールを奪いましたし、そのプレーの起点も三笘でしたね。プレミアリーグで輝かしい活躍を見せてきた選手が、ウェンブリーでイングランドを破るゴールを決めたというのは、ある意味象徴的でした。佐野(海舟)と中村も非常に活躍したと思います」
――3日前には、比較的キャップ数が少なく、若手主体と言えるメンバーでスコットランド戦に臨み、1−0で勝利しました。このイギリス遠征1試合目はどう捉えていますか?

「スコットランド戦は予想以上に良い成果が出ました。森保監督は複数の選手を試せましたし、アウェーの試合にもかかわらず、日本の方が上でした。試合をコントロールができて、相応しい勝利でしたね。そして森保監督は、ただテストするだけではなく『試合に勝ちたい』という思いも示しました。

 後半、スコットランドがすでに主力のマクトミネイとロバートソンを下げていた時、日本は主力選手(鎌田大地)を投入し、森保監督がこれまで使ったことのない斬新で大胆なフォーメーション(3−1−4−2)で勝利を収めましたね。

 この2つの親善試合は、森保ジャパンがこの8年間でどれほど成長したかを示していると思います。しかし、親善試合でのパフォーマンスは、ワールドカップでのパフォーマンスの良い指標とはならないことを忘れてはいけません。

 日本にはグループリーグを突破する力があると信じていますが、ワールドカップの決勝トーナメントで1度も勝利したことがないという壁を乗り越えなければなりません」
 
――森保ジャパンは、北中米ワールドカップ制覇に近付いていると言えるでしょうか?

「最も心配しているのは、ブラジルやモロッコといった、個々の力では日本よりも格上のチームと、ノックアウトステージの最初に対戦する可能性が非常に高いことです。

 一方で、ブラジルと比べて日本の方が完成度が高いチームだと思います。ブラジルは個々の選手の能力では優れていますが、日本はチームとしての能力では優っています。それが森保ジャパンの強みです」

――ずばり、日本がワールドカップで優勝する確率は何%でしょうか?

「難しいですよ(笑)。それを数字で表すことはできません...日本はまだ優勝候補とは言えないと思いますが、優勝を夢見ることはできる段階に達しました。もはや不可能ではないからです。そして、ワールドカップで優勝するには運も必要です」

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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