韓国で「境界知能」の子どもが約78万人…早期発見するのが難しいという「厳しい現実」
7人に1人、日本に約1700万人いるとされる「境界知能」の人たち。
言語化が苦手、仕事の段取りを覚えられない、行動がワンテンポ遅い、対人関係の距離感が極端、金銭管理ができない、ダマされやすい……困っているのに気づかれなかった人々の実態とは?
発売即重版が決まった話題書『境界知能の人たち』では、当事者を見てきた第一人者の医師が、全体像をわかりやすく解説する。
(本記事は、古荘純一『境界知能の人たち』の一部を抜粋・編集しています)
韓国の取り組み--初の実態調査、社会的自立を支援へ
2024年7月、韓国政府が「推定で韓国国民の13・6%にあたる697万人」とされる境界知能について、実態を調査し、早期診断のための検査ツール開発と社会適応支援のための対策準備に乗り出すと報道されました。
それまでも韓国政府は、境界知能者への支援方案を検討してきましたが、この報道によれば、実態調査から支援まで包括した韓国政府初の総合対策を打ち出したとのことです。
韓国の小・中・高校生における境界知能当事者は約78万人と推測されますが、学業や勤労に困難を経験していても、知的障害者とは違って特別な支援を受けることができませんでした。
これまで支援の狭間に置かれていた境界知能である子どもたちを早期に発見し、発達段階によって社会適応を助けるために、韓国政府は2024年下半期に初となる境界知能の実態調査を実施しました。
この調査は、境界知能の教育・雇用・社会参加・家庭生活など領域別の実態と社会的支援の需要を把握する計画だとされています。現時点ではまだ結果は公表されていません。
一方、多くの親は、自分の子どもが境界知能に該当するという事実を認めようとしないため、早期発見するのが困難である現実を考慮し、保護者向けの検査ツールを開発する予定です。
具体的には、2026年より小1から高1まで3年周期で実施する学生情緒行動特性検査と連携し、境界知能の早期発見に乗り出すとされています。
また、ライフサイクル別の支援も強化され、家族センターと育児総合支援センターなどを通じて、境界知能の人をかかえる家族を対象にした相談サービスを提供し、発達リハビリサービスと心理支援サービスを強化、成人対象には職業訓練とオーダーメード型生涯教育プログラムが整備される計画です。
さらに「日本に1700万人いるとされる「境界知能」の人たち…当事者を見てきた医師が明かす「その実態」」では、7人に1人いるとされ、知的障害と平均値のボーダーにある境界知能の実態に迫っていく。
