激シブ店内で絶品「ホルモン焼き」をいただく至福![「五代目食堂」(岐阜県)/Photo:のぐちまさひろ]

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「三つ星」を贈呈したくなる激シブなお店

 高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少していると言われています。

 その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。

【画像】ええええっ! これが「激シブ食堂」でいただける「絶品ホルモン焼き」です! 画像で見る(30枚以上)

 名古屋から飛騨高山へとつながる岐阜県道207号にたたずむ「五代目食堂」は、B級グルメの「とんちゃん(豚ホルモン)」と「てっちゃん(牛ホルモン)」を看板メニューとする“昭和のドライブイン”。

 店のすぐ裏手にはJR東海のローカル線「高山本線」が走っているので、“鉄ちゃん目線”でも注目のスポットといえます。

 同店は、地元の人以外はまず読めないであろう岐阜県中南部の坂祝町(さかほぎちょう)に位置し、木曽川沿いを走るワインディングに面しています。

 営業スタイルは、昼(11:00〜14:00)と夜(17:00〜20:00)の2部制。足を悪くしているお婆さまが営んでいることを知ってしまうと、「とにかく無理はしないでね……」と心配せざるを得ません。

 なかなか年季の入った外観の一方で、入口の引き戸は「自動ドア」だったりするので、「わっ、開いた!」と少し驚かされるかもしれません。

 店内も、よくいえば昭和レトロなムード満載で、ある程度の覚悟が必要なレベルといえます。

 店内は、いずれも4人掛けのテーブル席×6卓と小上がり席×3卓で構成されています。どちらに座るか迷いつつ、(年季の入った座布団が気になったものの)、勇気を振り絞って小上がり席を選んでみました。

 看板メニューは「とんちゃん(650円)」&「てっちゃん(800円)」のホルモン焼きで、「ケイちゃん(鶏肉・700円)」や「豚コマ(豚バラ・700円)」も用意。

 そこに「うどん(180円)」や「ご飯(小250円/中280円/大300円)」、「味噌汁(180円)」あるいは「豚汁(250円)」などを組み合わせていただく形です。

 今回はとんちゃん+うどん&豚汁をオーダー。締めて1060円というお会計です。

 まずは、大量のもやしで覆われた「とんちゃん」が鉄板ごと運ばれてきて、味わい深すぎる五徳の上に載せられて着火します。

 ジュウジュウと食欲をそそる音がし始めたら、もやしをかき混ぜ、とんちゃんとご対面。グツグツと火が通っていき、味噌の香ばしい香りが漂い始めると、食べる前から「旨いに違いない」と確信できるはずです。

 続いて「豚汁」も到着。他のお客さんを含め、卓と厨房を何度も往復するお婆さまの姿を見て、「自分で取りに行った方が良いかも……」とも思ったのですが、「余計なお世話だよ」的なオーラを放っている気もしたので、今回は機を逃してしまいました。

 食べ頃になったとんちゃんは、ちょっと焦げた味噌ダレ&もやしとともに奏でるハーモニーが絶品。ハンドルキーパーがいれば、間違いなくビールを頼んでいたことでしょう。

 残り1/3ぐらいになったところで、お婆さまがうどんと“合わせ水”を投入してくれました。撮影に夢中になり、火の調整を怠っていた筆者を見かねて、手を差し伸べてくれたようです(感謝)。

 そのおかげもあって、味噌ダレやとんちゃんのエキスを吸い込んだうどんは、最高のフィナーレを飾ってくれました。

 そうそう、高山本線の列車が通過する際には、店全体までグラグラと揺れるので、それすらも味わい深いスパイスになっています。

 いわゆる“きたなシュラン”で三つ星を贈呈したくなる「五代目食堂」は、望外の満足感と強烈な匂いとともに、昭和レトロな記憶を脳裏に刻んでくれることでしょう。