歌姫マライア・キャリーにミラノ五輪開会式で「口パク疑惑」が浮上した“裏事情”

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300カラット超のダイヤモンド

米歌姫マライア・キャリー(56)が、2月6日(現地時間、以下同)に開催された『ミラノ・コルティナ2006オリンピック』の開会式でパフォーマンスを行った際に“口パク疑惑”を報じられて波紋を広げた。開会式のディレクターが

〈魔法のような瞬間を創り出すことができた〉

と成功を強調し、キャリーもインスタグラムで「夢の実現」などとコメントしたが、騒動の“裏事情”も浮上している。

キャリーは第25回冬季オリンピックの開幕を告げる式典の序盤、300カラット超といわれるダイヤモンドを身に着け豪華な白いドレス姿で登場。“7オクターブの音域をもつ歌姫”といわれる美声で名曲『ヴォラーレ』をイタリア語で歌ったときに、スピーカーから流れていた音よりも唇の動きが遅い場面があったなどとして、SNSでファンから「口パクパフォーマンス」などと非難の声が上がった。

また、スタジアム内には大型のテレプロンプターが設置され、キャリーがイタリア語で同曲を歌う際の発音を表記していたという。イタリア語の「Volare(ヴォラーレ)」には英語で「Voh-lah-reh(ヴォーラレー)」と発音することなどが表示されていたという。これも異例のこととして注目された。

はたして真相は……?

と注目が集まる中、米PageSixによると、開会式のディレクター、マリア・ラウラ・イアスコネさんは2月7日、マライアの“口パク疑惑”について記者に質問され、口パクだったかについては直接言及しなかったものの、

マライア・キャリーのパフォーマンスは卓越していた。彼女は魔法のような瞬間を創り出すことができた〉

と絶賛。ただ、万全を期すため国際放送のイベントでは常に事前にパフォーマンスを録画していると語ったという。また出演料は支払われていないと明かしたという。

口パク疑惑の“前科”が

そしてキャリーは7日、自身のインスタグラムに開会式で熱唱する動画や写真を投稿し

〈ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック開会式で(イタリア語で!)パフォーマンスできたのは夢の実現です。これを実現してくれたみんなに感謝します。不可能なことはありません!〉

とつづった。「ヴォラーレ」は「長年のお気に入り」だったという。“口パク疑惑”には言及しなかった。

真相は藪の中といったところだが、“口パク”をはっきり否定しなかったことから“疑惑”は払拭されなかった。キャリーは過去にも“口パク疑惑”を報じられたことがあった。

『米RadarOnline』によると’13年6月に開催された、音楽、演劇などあらゆるエンターテインメント界で活躍するアフリカ系アメリカ人や他のマイノリティの人々に贈られるアメリカの文化賞「BETアワード」の授賞式で歌った時、ファンから「口パクだった」と非難のツイートがあったという。

「有名な口パク騒動といえば、’13年1月にビヨンセがオバマ大統領2期目の就任式で国家斉唱をしたときに事前に録音した音源を使ったことから“口パク疑惑”を報じられたことがありました」(ハリウッド事情通)

ビヨンセには同情論もあった。’09年のオバマ大統領の1期目の就任式のときに合衆国の愛国歌『マイ・カントリー・ティズ・オブ・ジー』を歌ったソウルの大御所シンガー、アレサ・フランクリンは

〈外は6〜7℃でほとんどの歌手にとってうまく歌える天候ではないのです〉

と当時、ビヨンセを擁護していた。

ビヨンセは大統領就任式という重要な場で

〈悪天候や適切なサウンドチェックができなかったためリスクを冒したくなかった〉

として、事前に録音した音声に合わせて歌ったと説明した。音楽業界ではよくあることで自分のパフォーマンスには「とても誇りに思っている」と述べていた。

「ビヨンセのケースでは厳寒の屋外で歌うという悪条件があったが、キャリーは母国語ではないイタリア語で『ヴォラーレ』を歌うということもあったのでしょう。今回の冬季五輪開会式でのキャリーの歌唱と大統領就任式でのビヨンセの国歌斉唱は国際的に生中継される特殊なケースで、一般のコンサートなどでの口パクとは同一視できないのかもしれません」(前出のハリウッド関係者)

いずれにしても、通常の入場料やギャラが発生するコンサートやテレビ出演などでは“口パク”はプロの歌手にとってあってはならないことに違いない。キャリーの今回の騒動を教訓にして「口パク絶滅」を実現してほしいものだ。

取材・文:阪本良(ライター、元『東京スポーツ新聞社』文化社会部部長)