ビラ戦で先発した三笘。0−1の敗戦に「結果を受け止めないといけない」。(C)Getty Images

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「順位的にも、そうですね、一番難しいと思います」

 2月11日に行なわれたプレミアリーグ第26節、アストン・ビラ対ブライトン戦。試合後の囲み取材で、三笘薫はこうつぶやいた。ブライトンは試合終了間際の失点により0−1で敗れ、リーグ13試合でわずか1勝という厳しい状況に陥っている。

 当然、試合後はチーム全体が重苦しい雰囲気に包まれた。そのなかでも三笘は取材エリアに姿を現わし、記者の質問に答えた。こちらから「三笘選手がブライトンに加入してから、今が一番難しい時期かと思います」と問いかけると、その答えが冒頭のコメントだった。三笘はさらにこう続けた。

サポーターの気持ちも分かりますし、自分たちの中でうまくいってないのも分かっています。ここは耐えないといけない」

 前節のクリスタル・パレス戦(0−1)はホームで敗れると、サポーターからブーイングが起きた。英国南部の海沿いに位置するブライトン。穏やかな気候の影響もあるのか、他の都市に比べると、この街の人々はどこかゆったりしている。ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオンに向けられる眼差しも同様で、下部リーグから共に戦ってきた仲間を見守るような温かさがある。

 しかし、そのサポーターがブーイングを浴びせた。直近13試合は1勝6分け6敗。しかも宿敵パレスとのダービーマッチに敗れ、その内容も非常に不甲斐なかった。サポーターのフラストレーションは、この試合で頂点に達したのだろう。それゆえ「サポーターの気持ちも分かる」し、「自分たちの中でうまくいってないのも分かる」のである。

 また三笘のキャリアに目を向けても、日本代表がブライトンに加入した22年夏以降、直近13試合での1勝6分け6敗という成績は最も悪い。26節終了時での「14位」という順位も過去最低だ。

 今回のビラ戦に際し、ファビアン・ヒュルツェラー監督は策を講じた。パレス戦では4−2−3−1を基本形としながら、守備時には5−2−3に可変する複雑なシステムを用いた。しかし選手たちの動きは固く、とりわけ攻撃面で大きな停滞を生んだ。
 
 その反省もあったのだろう。ビラ戦で採用した4−3−3には、複雑なタスクや決め事はほとんどなかった。戦い方をシンプルにし、選手たちの持ち味を引き出す。そんなメッセージが込められているようだった。

 だが、前半のブライトンは苦しんだ。ボールを保持する時間はあっても決定機を作れない。対するビラはコンパクトな守備から効率的にカウンターを繰り出し、チャンスを作った。前半のシュート数はビラの10本に対し、ブライトンは2本。劣勢にまわったブライトンの中で、三笘も大きな見せ場を作れなかった。

 それでも後半に入ると、ブライトンは持ち直す。試合がオープンな展開になり、三笘もチャンスに絡んだ。

 サムライ戦士が、味方のスルーパスからカットインしてシュートを放てば(48分)、鋭い切り返しからクロスボールを入れた(54分)。63分にもカットインから右足でクロスを供給するなど、チャンスを生み出した。

 何かのきっかけでゴールが生まれてもおかしくない状況が続いたが、最後の最後で失点してしまうのが、今のブライトンである。86分、敵のCKから相手のDFがヘディングシュート。ブロックに入ったジャック・ヒンシェルウッドに当たってコースが変わり、ボールはゴールに吸い込まれた。終盤の一瞬の綻びで、勝点を奪われた。

 三笘は、敗戦を次のように振り返った。

「同じように最後のところで(失点した)。細かいところですけど、それまでも80分、良くても、最後これで負けるんで。サッカーはそういうものですけど(※ここでスーと息を吐き出す)。チャンスもありましたけど。結果を受け止めないといけないです」