子ども中心に急増

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くるみ、カシューナッツ、ピスタチオなどのナッツ類。実は近年、子ども達を中心にアレルギーが急増しています。なぜナッツアレルギーが増えているのか?そしてどんな課題があるのか?当事者や家族を取材しました。

熊本市南区に住む岡本琥太郎くん(3)。ふだんは元気に遊んでいますが、去年の夏、ある異変が…。

■母・奈々さん
「くるみといりこの佃煮を食べていたんですけど、5~10分ぐらいした時に喉をかく仕草を始めて」

夜ご飯を食べていたときのことでした。


■母・奈々さん
「嘔吐をした時に嘔吐物がかかったところだけが赤く発疹が出始めた」

診断結果は「ナッツアレルギー」。早い時は食後数分以内に強い症状が出るのが特徴で、じん麻疹や嘔吐のほか、呼吸状態が悪くなるなど、命に関わる症状を引き起こすこともあります。

くるみやカシューナッツ、アーモンドなどが原因のナッツアレルギー。アレルギーの原因物質に占める割合を見ると、2011年は全体の2.3%だったのが、2023年には24.6%まで増加しています。

年代別では子どもの間でくるみやカシューナッツのアレルギーが多いことがわかっています。その背景として考えられるのが…。

■熊本地域医療センター医師会病院 小児アレルギー科・西奈津子医師
「はっきりした原因はまだわかっていないけど“食習慣の変化”で木の実類の消費量が増えていることと、加工品へも使用機会が増えたことは関連性は高いと考えられている」

栄養価が高く食生活に身近になったナッツ類ですが、当事者からはこんな声も。

■母・奈々さん
「アレルギー表記のアーモンドやナッツ類と書いてあるものは注意深く見るようにしている」

母親の奈々さんが普段から気にかけているのが食物アレルギー表示です。国はエビやカニ、くるみなどの特定原材料をはじめとした28品目について、表示を義務化、または推奨しています。一方で飲食店やケーキ店のほか、テイクアウトや宅配などでは原材料の表示が義務化されていません。

■母・奈々さん
「食事の制限がかなり負荷がかかってくるので、この先注意して見ていけるのか(不安)。明確に書かれるようになればもっと子どもの食の幅も広がると思うし、できれば表示の記載があった方が助かる」

熊本市北区のケーキ店。特別な思いを抱いてケーキづくりに勤しむパティシエがいます。こちらの店では、米粉や豆乳などを使用したアレルギー対応のケーキや洋菓子を販売。乳製品や卵、小麦粉を一切使っていないため、予期せぬ混入が起きたり誤って食べてしまったりするリスクもありません。

樋口さんがパティシエを目指したのは、自身の経験からでした。

■アレルギー対応ケーキあんしん・樋口響希さん
「ケーキ店に行っても1種類も選ぶことができない。家族だけが買って自分だけが食べられない疎外感」

乳製品、卵、ナッツ類の重度のアレルギーだった樋口さん。幼い頃の誕生日に食べていたのはご飯をスポンジに見立て、おかずを飾ったご飯ケーキだったといいます。

16年間通院し、すべてのアレルギーを克服しました。使用した原材料が一目でわかるようにと、樋口さんはケーキの値札に記載。当時のつらい経験がいまのケーキづくりに生かされています。

■樋口響希さん
「昔抱いた普通のケーキが食べたい気持ちがわかるからこそ再現して、同じクオリティでアレルギーのお子様たちに届けたい思いがすごく強くある」

今も定期的に通院しナッツアレルギーと向き合っている岡本琥太郎くん。少しずつナッツ類を食べてアレルギーの克服に向けたトレーニングをしています。

■母・奈々さん
「卵や小麦アレルギーより(知っている人が)少ないけど結構困っているので、できれば柔軟に対応してもらえるともっと子供たちも食べやすいと思う」

不安を抱えるアレルギーの子どもたちが安心して食を楽しめるように…そんな社会が求められています。

【スタジオ】
国はアレルギー表示を義務づけている特定原材料にカシューナッツを追加する方針。また、外食やテイクアウトでは表示が義務付けられていませんが、事業者向けに動画などで表示を呼びかけています。