合流先端まで行く「ファスナー合流」に批判殺到?(画像はイメージです/PIXTA)

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本線に合流するときはできるだけ先まで進む「ファスナー合流」で流れがスムーズに

 高速道路や国道など、本線に合流するとき「ファスナー合流」を知っていると安全かつスムーズです。

 しかし、現実には一筋縄ではいかないことも事実です。どういうことなのでしょうか。

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 高速道路のICやJCT、SAおよびPAなどから高速道路の本線に合流する箇所では渋滞が起こりがちです。

 特に朝晩の通勤時間帯や大型連休など、交通量が多いときほど、譲る方も譲られる方も「ファスナー合流」を知っておくだけで流れがスムーズになります。

 このファスナー合流(ジッパー合流とも)とは、合流路の手前で本線に入らずに、合流部の先頭まで進むことを指します。

 まるでファスナーが閉じるように、1台ずつ交互に合流することでクルマの流れがスムーズになり、トラブル防止にもつながります。

 …といいたいところですが、これはあくまでも理想形です。現実にはなかなかこのようにコトは運びません。

 まず第1に、本線に合流するタイミングは人それぞれとなっている現状があります。

 しかも、そのときの道路状況によっては、手前でスルリと本線に合流できる場合もあれば、合流部の先頭まで進み、結果ギリギリのタイミングで合流せざるを得ないこともあります。

 この「合流部の先頭まで進む」という行為が、人によっては少しでも先に行きたいからギリギリのタイミングで合流するんだ(つまり「ズルい」)と映る場合があります。

 ファスナー合流のセオリーに則っとれば、「合流部の先頭まで進む」行為はむしろ推奨されるべきことでありながら、「ズルい」とみなされてしまうケースがあるのです。

 そうなると、本線を走るクルマのドライバーは面白くありません。

 場合によっては頑として道を譲らず、ファスナー合流を使って本線に合流したいドライバーからすれば「なんで譲ってくれないんだ」と腹を立てることになります。

 やがて双方がクラクションを鳴らし、トラブルに発展する…といったことが、もしかすると日本各地で起こっていると思われます。

 事実、「ぜったいに譲らないぞ」といったオーラをクルマ全体から発している(ように見える)ケースをときどき見かけます。

 ただし、このファスナー合流、意地悪でもズルくもなく、スムーズなクルマの流れを作るうえにおいて重要な役割を担っているのです。

 実際の効果についても、海外で研究が行われており、その効果が実証されています。

 アメリカのミネソタ州運輸省(MnDOT)によると、各ドライバーがファスナー合流を心掛けることで、交通渋滞を最大40%削減できるという研究結果を公表しています。

 日本でもファスナー合流に関する実験が行われています。

 2019年、NEXCO中日本において、試験的に運用が行われた東海北陸道から名神高速上り線に合流する加速車線にラバーポールを設置し、先頭の部分での合流に誘導するようにした結果が公表されています。

 試験運用は、合流ポイントにおいて渋滞が多い名神高速上り線で行われ、合流ポイントの先頭部分まであえてラバーポールを設置することで、加速車線の途中で本線と合流できないようにしました。

 その結果、交通量はほぼ横ばいであったにもかかわらず、渋滞による損失時間がなんと約3割も減少したのです。

 さらに渋滞区間の平均通過時間は、名神IC付近では約13分から約10分に約3分間短縮される結果となり、一定の効果が実証されました。

 ファスナー合流は1人で奮闘しても効果はほとんどありません。

「ファスナー合流を実施せよ」といった法的拘束力はありませんが、だからこそドライバー1人ひとりの心掛けや配慮が重要となってくるのです。

 そして、合流地点の先頭まで進みながらウインカーを出し、譲ってくれたドライバーにサンキューハザードなどで感謝の気持ちを伝える。

 ファスナー合流に関する知識と周囲への心がけを両方持てば、譲り・譲られの場面でストレスになることは、今後なくなるのではないでしょうか。