世界で唯一の黄金の茶畑が日本にあった 静岡の絶景テラスで満喫する至福の一杯
全国の茶園面積の約40%を占める茶どころのひとつであり、20を超えるお茶の産地を有する静岡県。そんな中、2019年にスタートしたのが、「茶の間」プロジェクトだ。茶畑の真ん中のテラスを貸し切ることが出来、絶景を眺めつつ茶師が厳選したお茶を楽しめる場所というが、静岡県内には点在している。今回は、なかでも人気を誇る『黄金の茶の間』におじゃましてきた。
まるで秘境の楽園! 世界で唯一の黄金の茶畑とは?

色鮮やかな茶畑の向こうには、雄大な山々を望むことができる
静岡県内で7箇所ある「茶の間」のうちのひとつ、『黄金の茶の間』は、静岡市の『黄金みどり茶園』の中にある。まるで太陽の光をそのまま写し取ったかのような品種の茶葉「黄金みどり」が世界で唯一自生する茶園だ。朝日放送テレビのバラエティー番組『ポツンと一軒家』でも放送されたことのあるこの場所は、標高550mの山の斜面にある為、辿り着くまではそう簡単な道のりではない。にも関わらず、幻の美しい茶葉を眺めに県外からはもちろん、海外からもこぞって人が訪れるという。
山々を望む、絶景足湯でほっと一息

足湯は、ひょうたんを思わせるデザインが魅力
受付(1名3500円〜、黄金期はお茶のふるまい付き1名5000円)を済ませたら、案内図をもとに、くねくねと曲がった坂道を歩いて約30分。息を上げ、到着した先には、築150年ほどの茶畑に併設された古民家と、ひょうたんのようなフォルムの足湯が待ち構えている。夏は冷たい水風呂、冬は薪で炊く湯と、季節によって温度も変化するようだ。
「この足湯は、テレビ番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』で古民家を改修して貰った際に、もともとあった丸い桶を繋げて造ってもらったものなのです」と、園主の佐藤浩光さん。
澄んだ空気に包まれ、絶景を眺めながら浸かる足湯は、ここまでの疲れを一瞬で忘れてしまうほど、不思議な威力を持っている。
黄金の茶畑が広がるテラスで、幻想的な景色を独り占め

「黄金みどり」の畑を目の前にデッキで寛ぐ、贅沢なひととき
さらに進むと、お待ちかねの黄金の茶畑を望むテラスが登場。実際にデッキに腰かけてみると、壮観な景色に思わず息を呑む。1回の体験で最大4組(1組4名)だけが入れる為、誰にも邪魔されず、静寂な時間が楽しめること間違いなしだ。

かつての茶園について語る、園主の佐藤浩光さん
「この畑を埋め尽くす黄金みどりは、葉緑素が少ない白葉種のお茶です。芽は光に当たれば当たるほど黄金色になる特徴を持っています。園主である僕の父、佐藤武久が40年以上前に畑の中で黄色い一葉を発見したのが、このお茶のはじまり。以来1本ずつ挿し木で苗を増やし続け、およそ35年の歳月を経て、一面黄金色の茶畑となりました」と、園主の佐藤浩光さん。
ここでしか味わえない、旨味あふれる一杯を堪能

「黄金みどり」を使った「煎茶 氷出し」
季節によって提供されるお茶の種類や提供方法は異なるが、「黄金期」(毎年4月20日から5月10日ごろ、6月15日から6月30日頃、8月15日から31日ごろ)のみ、その時に最もおいしいお茶を味わうことができる。まだ暑さが残っていた取材時は、「煎茶 氷出し」がお目見え。氷に浸った茶葉に水を注いで5分ほど置き、添えられた氷が溶けるのを待つのが、おいしく味わうコツなのだとか。

1杯目と2杯目の味わいの違いを楽しむのもおすすめ
氷が溶けてきたら氷に指をあて、湯飲みにお茶を注いでいく。氷出しという手法は、茶葉が持っている本来の旨味をさらに引きだしてくれるそうだ。
提供される「黄金みどり」には、アミノ酸が豊富に含まれるため、まろやかな甘みと、奥深い旨味を感じることができる。なお、2杯目からは、2、3分待つだけで味が出る。
ほうじ茶を使用した、やさしい甘みのかき氷を味わう

夏に人気の「茶氷」
暑い時期限定で味わえる「茶氷」は、1人1台かき氷機が渡され、自分で削って楽しむスタイル。最後にトッピングできる自家製のほうじ茶シロップは、ほんのり香ばしく、甘さ控えめの自然な味わいが魅力だ。お茶尽くしのおいしいひとときを満喫しよう。
古民家でゆっくり流れる時間に身をゆだねる

ハンモックが置かれた古民家の中。100年ほど前の台所道具などもある
テラスだけでなく、築150年以上の古民家の中でくつろげる点も注目のポイント。縁側に腰かけて茶畑を眺めてみたり、ハンモックに寝そべってみたり。風情あふれる空間で特別なひとときを過ごそう。
因みに冬季は、テラスにこたつが登場することもあるそうだ。茶農家の一角を最大4組だけで貸し切る贅沢なプログラム。お茶作りの面白さやお茶の魅力を、園主本人から聞く、貴重なひとときを楽しんでみては。
[店名]『黄金の茶の間』
[住所]静岡市葵区諸子沢219(黄金みどり茶園)
[電話]080-7016-1201(茶の間事務局)
[営業時間]午前の部8時半〜12時、午後の部 13時〜16時半
※受付から茶の間までの移動時間を含む
[休日]不定休
※要予約、雨天中止
[交通]車のみ、東京IC→静岡スマートIC約120分→現地まで約45分
[HP]https://changetea.jp/chanoma/ougon-chanoma/
文・写真/中村友美
フード&トラベルライター。東京都生まれ。美術大学を卒業後、出版社で編集者・ディレクターを経験し、現在に至 る。15歳からカフェ・喫茶店巡りを始め、食の魅力に取り憑かれて以来、飲食にまつわる人々のストーリーに関心あり。古きよき喫茶店や居酒屋からミシュラン星付きレストランまで幅広く足を運ぶ。休日は毎週末サウナと温泉で1週間の疲れを癒している。
