内山昂輝(写真=林直幸)

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 フジテレビほかにて毎週日曜9時30分より放送中のアニメ『TO BE HERO X』。人々からの「信頼」がヒーローを生み出す世界で、トップランクのヒーローたちが唯一絶対のヒーロー「X」の座をかけて戦いを繰り広げる。

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 内山昂輝が演じるのは、驚異の打たれ強さを誇る青年・梁龍。実力者でありながらも、他人を「ゴミ」と評し見下すような言動をとることも。bilibiliとアニプレックスがタッグを組んで製作するアニメでもある本作だが、特殊な収録の様子とともに、内山にヒーローでありながらもヴィランの雰囲気を漂わせる梁龍について語ってもらった。

梁龍は“ヴィランのようにも見える”異色なキャラ

ーー演じられている内山さんから見て、梁龍はどのような人物だと感じますか?

内山昂輝(以下、内山):『TO BE HERO X』では、たくさんのヒーローが登場して、それぞれの物語が次々に語られていくのですが、物語後半に登場する梁龍というキャラクターは、ヒーローではあるんですが、セリフの内容によっては、ヴィランのようにも見える。だから、この作品の中では少し異色なキャラクターだなと感じました。

ーートレーラーでは「ゴミ」と言い放つシーンもありましたね。

内山:ヒーローっぽくないですよね(笑)。僕も収録しているときに、「ヒーローとして演じよう」とはあまり意識していなかったかもしれません。かといって完全に悪役として演じていたわけでもないのですが、ちょっとヴィランっぽさはあります。

ーーアウトローな雰囲気を漂わせる一方で、趣味ボランティアという点には驚きました。

内山:え⁉ そうなんですか。︎初耳ですね(笑)。演じているなかでは、そういう“いい人っぽさ”はあまり感じなかったです。

ーー梁龍を演じるうえで、役作りで意識されたことや苦労された点を教えてください。

内山:ヒーロー役だと思っていたのですが、いざ蓋を開けてみると梁龍はあまりヒーローっぽくないキャラクターで。いろいろなヒーローが登場する中で、それぞれ個性が出ていた方が面白いと思ったので、他のキャラクターとどう違いを出すか、梁龍ならではの魅力をどう表現するかを意識しました。

ーー他のキャラクターとの差別化という部分で、特に工夫された点などはありますか?

内山:セリフの言い方もそうですが、吐き捨てるようなセリフが多かったので、そこは強調した部分かもしれません。反抗的な態度というか、誰かに歯向かうようなニュアンスですね。

ーー普段のアフレコとは少し違う部分もあったかと思いますが、そういった中で感じた難しさなどはありましたか?

内山:今回の収録は吹き替えの形式だったので、中国語の音声をイヤホンで聞きながら、それに合わせて日本語をのせていくという流れでした。感覚としては普段のアニメのアフレコとは違いますし、自分で一から作るというよりは、元のセリフや間の取り方を参考にしながら日本語の表現をしていくという感覚でした。

ーー中国と共同製作の作品と日本オリジナルの作品で、制作面や演出面で違いを感じることはありましたか?

内山:もちろん違いはあります。ただ、今の時代ってお互いに影響を与え合っているなとも思っていて。中国の作品も日本をはじめ世界中のアニメから刺激を受けているだろうし、日本のクリエイターも海外の作品から影響を受けている。グローバル化した今だからこそ、そういう相互作用があるのかなと感じました。

ーーたしかに、中国の作品を観ていると、「日本のアニメをリスペクトしてるんだろうな」と感じることがありますよね。

内山:そうですね。そういう印象があります。

ーー実際に作品をご覧になって、映像面で驚かれた点をお聞かせください。

内山:1話や2話を観たとき、2Dアニメ的なタッチとCGアニメ的なタッチが組み合わさっていて、表現の幅がすごいなと思いました。ロゴやデザインまわりも洗練されていて、とても印象的でした。

ーー街並みやネオンサインもとてもおしゃれですし、派手なアクションシーンも印象的でした。梁龍編でもアクションシーンが多いかと思うのですが、見どころを教えてください。

内山:アクションシーンは長めで、かなり迫力のある演出になっていると思います。僕が収録していたときはまだ映像が完成前だったので、どうなるのか楽しみにしています。

『TO BE HERO X』の“ヒーローもの”としての特徴

ーー“ヒーローもの”の作品は日本のアニメ作品にも多く見られますが、『TO BE HERO X』が他の作品と異なる点をお聞かせください。

内山:まず、作品の根幹として“人々の感情がヒーローの強さにつながって、それが物語を動かしていく”という仕組みは、『TO BE HERO X』ならではだと思いました。それに加えて、物語の構成も結構オムニバス的というか、共通の敵に立ち向かうというよりは、次々と視点が変わっていくような作りで、そこも独特ですよね。

ーーたしかに、アニメというよりはドラマ的な構成という印象を受けました。ちなみに、“信頼”が本作のキーワードにもなっていますが、内山さんが日頃のお仕事で信頼を得るために意識していることはありますか?

内山:やっぱり、ひとつひとつ目の前のことを地道にやっていく、ということに尽きます。

ーー内山さんと梁龍の似ている点についてお聞きしたいです。また、梁龍の特徴である「打たれ強さ」に関連して、内山さんの「打たれ強さ」はどれほどでしょうか。

内山:打たれ強いかというと、普通ぐらいですかね(笑)。嫌なことがあれば、引きずるときは引きずるので。全体的にあまり似てないかもしれませんね。梁龍はちょっとアウトローな感じもありますし。

ーー『TO BE HERO X』には多くのヒーローが登場しますが、内山さんにとっての理想のヒーロー像をお聞かせください。

内山:僕にとってのヒーローは、スポーツ選手ですね。たとえば、大谷翔平選手とか。サッカーも好きなので、ヨーロッパで活躍している日本人選手もすごいなと思います。

ーーちなみに、前回インタビューさせていただいた時は映画好きな内山さんにオールタイムベストをお聞きしましたが、今回は2025年上半期ベストを教えてください。

内山:近年は気になっていても観逃してしまうことが多いんですよね。配信で観た『コンパニオン』が面白かったですね。劇場で観たもので印象に残っているのは『教皇選挙』です。

ーーでは、今後観たい作品などはありますか?

内山:今年の注目作だと、ポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー』が気になっています。

ーー最後に、リアルサウンド映画部の読者に向けてメッセージをお願いします。

内山:『TO BE HERO X』は途中からでも十分楽しめる作品です。後半の展開を観てから前半を追いかけるという楽しみ方もできるので、ぜひ梁龍編からでも観てみてください。

(文=柴理咲子)