修験の山「高尾山」の天狗伝説、実は動物がモデルだった?その驚きの正体とは

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もはや説明不要の観光地「高尾山」。東京在住の方じゃなくても知っている人は多いことでしょう。

手軽に行けるハイキングと、名物とろろ蕎麦やビアマウント、天狗焼きなど数々のグルメのイメージが強いですが、実は由緒ただしい山伏たちの修験の場所。六号賂には「びわ滝」があり、蛇滝コースには「蛇滝」といった、滝行ができる場所もあります。

さて高尾山といえば「天狗」。本尊は「飯縄権現」といい、高尾山を守護していた4体の神を一つにし、不動明王の化身とされています。飯縄権現の謎を書いた下の記事もよければ読んでみてくださいね。

山頂の宇宙人?食べられる砂?名前の変わってしまった山の知られざる言い伝え

天狗といえば山に住まう物。この天狗は、一般的に修行にいそしむ経験を重ねた山伏の姿が天狗と同一視されることもあります。しかし天狗の正体は、実はあの可愛らしい動物なのでは…という説もあるのです!

薬王院の天狗の面

 

天狗の正体は!?

天狗の正体といわれる動物、それはムササビ。

ナイトウォッチングツアーも時折おこなわれ、高尾山の巨木に住まう愛らしい姿が運が良ければ見られることでしょう。なぜそれが天狗と結びついたのでしょうか?

ムササビ(フォトACより)


・ムササビは、空を滑空するように木から木へ飛び移りますよね。そのときに起きる葉擦れの音が、まるで団扇で扇ぐかのようにざわめくので、「天狗のうちわ」と呼ばれるようになった。

・またその鳴き声は、その姿から想像ができないほど不気味で、「ぐるるるる〜」「ぐううううぅうう」という唸り声なので、人智を超えた存在のもののように感じます。それが天狗の威嚇している声だと思われた。

・ムササビの糞は粒状で、樹上からバラバラと落ちてきます(ほぼ植物繊維なので当たってもそれほど汚くないです、たぶん)。天狗は「天狗礫(つぶて)」といって、小さな小石を投げてくるといわれています。なので、ムササビの糞が天狗礫といわれるようになったのでは、ということです。

高尾山のふもとにあるムササビの像


飯縄大権現は勝利をもたらすご利益があるとされています。この大権現の護衛役で、従者が天狗なのです。なので、高尾山薬王院には左右に天狗の面が奉納されています。

戦国武将の武田信玄や上杉謙信、北条氏など名だたる名将が、戦勝祈願のため飯縄権現を熱心に崇拝していたということです。いかめしい顔の天狗がムササビだと考えると、ちょっと可愛らしいですね。

高尾山には「天狗の腰掛杉」、天狗の通り道の邪魔にならぬよう自ら根っこを曲げた「たこ杉」などがあります。今度高尾山に行くときは天狗の気配を感じながら上るのもいいと思いますよ。