広島のゴールマウスを守る大迫。写真:福冨倖希

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 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第53回は、サンフレッチェ広島のGK大迫敬介だ。

 広島ユース出身の大迫は、2018年にトップチームに昇格すると、プロ2年目から出場機会を掴み、着実に実績を積み上げてきた。林卓人から背番号1を受け継いだ昨季は自身初となるリーグ戦全38試合にフルタイム出場し、J1のベストイレブンにも選出された。

 日本代表の常連でもある。19年に初招集されると、6月のコパ・アメリカ初戦のチリ戦でデビュー。22年のカタール・ワールドカップでは選外だったが、コンスタントに代表入りを果たし、直近の6月シリーズではインドネシア戦(6−0)でピッチに立った。

 クラブでも代表でも活躍する守護神に、まずはバイタルエリアについて訊いてみた。
【動画】24年に初のJ1ベスト11! サンフレ大迫敬介のプレー集
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 バイタルエリアの位置は、相手のフォワードより手前のスペースというイメージです。固定されているわけではなく、フォワードがいるポジションによって、変わってくる感じですね。

 相手のアタッカーが、自分が保持しているボールを前から奪いに来れば、バイタルエリアが開いてくるという認識があります。そのため、ハイプレスに遭った時には、バイタルエリアを見るようにしています。スペースが生まれやすく、攻撃の起点になりやすいような場所の一つだと思っています。

 守備では、特に広島は、前からどんどんボールを取りに行くスタイルなので、自ずと自分が担当するスペースは広くなります。だからこそ、味方と連係してそのスペースを消しながら守るのは、強く意識しています。

 声掛けにも、気を遣っています。相手は攻撃のチャンスを作るために、バイタルエリアを意図して開けようとしてくるので、どこのスペースを狙ってこようとしているのかを、味方にコーチングで伝えます。チームの最後方に位置している自分が一番よく見えているので、空いているスペースを味方に的確に教えるのは重要だと思っています。
 
 就任4年目を迎えるミヒャエル・スキッベ監督のもと、2015シーズン以来4度目のJ1制覇を目ざす広島。ここまで20試合を消化し、11勝3分け6敗の勝点36で暫定3位につけている。

 失点15はリーグ最少の数字。持ち前の堅守を誇るチームの現状を大迫はどう見ているのか。

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 数字だけを見ると、失点を少なく抑えられていますし、5月には5連勝がありました。ただ内容のわりに結果に結びついていないというか、もう少し勝点が増えてもいいのでは、という手応えがありますね。 

 失点をゼロに抑えるのは常に目ざしているので、それが数字として表われているのは、ポジティブです。最少失点は嬉しいですし、無失点で試合を終える重要性は、今季は特に実感しています。

そう感じるのは、今年は1−0や0−1の試合が多いのが原因です。昨季は、ほとんどの試合で得点できていたので、最悪1失点しても勝てる感じだったのが、今シーズンは1失点してしまうと勝てないこともあります。
 
 リーグ全体を見ると、フォーメーションを変えたチームもあり、守備が特に堅くなっている印象がありますね。

 広島に関しては、3バックのスタメンである佐々木(翔)選手、塩谷(司)選手、荒木(隼人)選手とはプレーしている期間が長いです。そのため、極端に言えばコーチングがなくても暗黙の了解で大丈夫な領域まで来ています。

 だから相手の位置やシュートを打つポジションによって、味方がどこのコースを切って、キーパーがどこを守るかといった連係は、言わなくても分かるようになってきている。僕自身も守りやすいですし、そこの意思疎通や連係は、もう完璧といっていいほどできています。

 相手のシュートで、僕が消してほしいコースがあるとして、味方も「やっぱり、あそこを消してほしかったよね」と言ってくれます。その意味でも、完璧ですね。

※後編に続く。次回は6月27日に公開予定です。

取材・構成●野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)