今週のテーマは「マッチして会うまではいくのに、美女が二度目に続かない理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:マッチングアプリでの初デート。外銀勤務の男も乗り気だったのに、2回目がなかったワケ




土曜日の昼の恵比寿に、久しぶりに来たかもしれない。

「恵比寿ガーデンプレイス」から目黒方面になんとなく歩きながら、雨が降りそうで降らない空を見上げてみる。

― 外見はタイプだったんだけどな…。

マッチングアプリ出会いさっきまでランチをしていた愛菜とは、今日のデートにいたるまで僕の中でかなりテンションが上がっていた。

しかし今日実際に会ってみて、僕は「二度目はないかな」と思ってしまった。

34歳の愛菜は、美人だしスタイルも相当いいけど、二度目がないのはなぜか?

本人は気がついていないかもしれないけれど、“あるところ”を直せばいいのにな…と思っている。


A1:外見はとても良かった。


愛菜とはマッチングアプリを通じて出会ったが、彼女の写真を最初に見た時、ソファに寝転がっていた体勢から、思わずガバッと起き上がってしまった。

「え、めっちゃ綺麗じゃん」

思わず呟いた。

しかも写真を見る限り、相当スタイルも良い。「いいね」を押さない理由がなく、僕はすぐに行動に移した。




すると比較的早く向こうからも「いいね」が来て、マッチした僕たち。だらだらとメッセージを続けるのが苦手な僕は、早速会う提案をしてみる。

― 聡:お忙しいと思いますが、今週末とかはいかがでしょうか?

すると翌日くらいに返事が来て、実際に会うことになった。店は色々と考えたけれど、ディナーよりランチくらいがいい。

マッチ後初めて実際に会うとき、話が合わない相手とのディナーは相当リスクが高いから、ランチがいい。また、男側が支払いをするとしても、最初から高すぎる店は微妙だし、初めて行く店で外れだったときは、気に入った子が来た場合は激しく後悔をすることになる。

だから、僕が見出した正解は“素敵な店で、ランチをする”ことだった。

ランチ営業もしていて立地も良く、スペシャル感があって女性が喜ぶ。もちろん、味も一級で内装も美しい…となったとき、真っ先に浮かぶのが恵比寿にある名店『Lawry's The Prime Rib 恵比寿ガーデンプレイス店』だった。




約束当日。店に来た愛菜はスタイルが際立つようなタイトなワンピースを着ており、思わず「おっ」と唸ってしまった。

「愛菜さんの写真を見た時、綺麗すぎてびっくりして」
「本当ですか?」

マッチングアプリでマッチするためには、大前提で「この人良さそうだな」と思わせることだと思う。

そして男性陣は、やっぱりプロフィールで写真を見ている。肩書や詳細な自己紹介文も大事だけれど、まずは写真にこだわり抜いたほうがマッチ率は上がるはず…。

その点、愛菜は自分のことをよくわかっているな、と思った。

自分のスタイルが良く見える写真と、非常に写りの良い顔写真。あれはたしかに、かなりモテるだろう。

「あまり外見のことばかり言うのも嫌かもしれませんが、今日だって店に入ってきた時、『綺麗な人だなぁ』って改めて思いましたし」

そう素直に伝えると、愛菜は謙遜することもなく体をクネらせた。

「え〜嬉しい♡」

店に集合して、10分くらい経っていただろうか。

正直に言うと、愛菜を素敵だなと思っていたのは、ここまでだったのかもしれない。

「聡さんは、外資系って書いていましたがどんなお仕事なんですか?」
「僕は投資銀行で…」

自然な流れで、お互いの自己紹介などの話になっていく。でもここから話せば話すほど、愛菜の魅力は減っていってしまうことになる…。


A2:言わなくてもいい“一言”が多い。


「外資系投資銀行なんですか?すごい!でも大変そうですよね」
「そうなんですよ。意外に、精神的にも体力的にもキツイことは多いですかね」

マッチングアプリで出会って、初めて実際に会うときは、お互いに相手のことをもっと知りたいと思うし、仕事の話にもなるのは当然のことだろう。

でも愛菜の場合、この会話の反応からして「ん?」と思った。

「ですよね?私だったら絶対にできないです」

愛菜に悪気はないのだと思う。でもこの言い方がキツかったことに加えて、人の仕事に対してあまりリスペクトがないように聞こえてしまった。

― そんな言い方しなくても…。

そう思っていると、愛菜はさらに失礼なことを言ってきた。

「聡さん、少食ですか?」

― え……。

元々僕は胃下垂で、食べても食べても太らない体質だ。それに加えて、忙しい時期などは少食になる傾向がある。けれども、それが嫌で頑張って筋トレもしている。それなのに、人が気にしていることを愛菜はサラッとついてくる。




「そんなことないですよ!」
「そうなんですね。細いから心配になっちゃって」
「え〜!こう見えて、一応筋トレしているのに」

そう言って、腕まくりをして腕を見せると、愛菜は急に態度を変えてきた。

「細マッチョなんですね!かっこいい」
「そういうことにしておいてください(笑)」

しかしもし本当にそう思ったとしても、本人が気にしていると思わないのだろうか。

別に怒るほどのではなかったので、一旦スルーすることにする。初対面で一度白けるとテンションを取り戻すことは難しく、早く帰りたくなってきてしまった。

しかしこれだけでは終わらない。美味しい食事をしていると、愛菜はまた要らない一言を放ち始めた。

「私、このマッシュポテトも好きで」
「わかる!これ最高ですよね。愛菜さん、この店結構来ていますか?」
「あー…何度か?」
「そりゃそうですよね」
「でも何度来ても嬉しいお店なので!」
「よかったです」

僕の場合、ここで嘘をつかれるよりも素直に言ってくれたほうが全然いい。ただこれは人によるかもしれない。なぜなら、自分が気合を入れてきた店に来たことがあるかどうか、気にする男性は一定数いるからだ。

「ちなみに愛菜さんは、なんでアプリを?」
「私は早く結婚したくて。聡さんは?」
「僕もいつかは結婚したいですが、すぐに結婚というよりは、誰か良い人がいたらいいな…くらいの軽い感覚です」




なるほど…ちなみに、奥さんや彼女には稼いで欲しいタイプですか?」
「どうだろう…。あまり相手の年収は気にしないかな」

ここまでも、普通のやり取りだった。しかしまたここで、要らない一言が放たれた。

「そっか、良かったです。私の稼ぎだと贅沢できないので…。ちなみに、家事は奥さんにして欲しいタイプですか?」

これは、どういう意味だろう。そう思っていると、愛菜はペラペラと話し始めてくれた。

「それもどうだろうな…。アウトソーシングでもいいかなと思っています」
「ですよね!相手に経済力がある人だったら、家事は代行がいいなと思っていて。でももし必要だったら、もちろんするんですけど」

この話にはどういう意図があるのだろうか。もし万が一、稼いでいる男と結婚したい場合でも、こんなことを初対面で言う必要はない。

でも愛菜は素直なのか何なのか…。聞いてもいないことをどんどん言ってくる。

「効率化が一番ですから、いいんじゃないですか?ところで愛菜さん、ご出身はどちらですか?」
「私は埼玉出身で…」

愛菜を見て、わかったことがる。

彼女は、外見も良いしプロフィールもしっかりしているので、マッチはするだろう。でも実際に会うと、“要らない一言”が多すぎる。

相手のことをけなすなんてもっての外。初対面で、全部自分をさらけ出す必要はない。何よりも、いかに相手に良い印象を持ってもらうかが大事な場面で、話しすぎると墓穴を掘る。

「今日はありがとうございました!とっても楽しかったです」
「こちらこそです。じゃあまた」

― せっかくマッチしたのに、もったいないな…。

愛菜との初デートを振り返りながら、「次はないな…」と思っていた。

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