【日本ダービー】愛さずにはいられない マスカレードボール&坂井瑠星騎手

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日本ダービー2025 いま頂点へ

クラシック三冠レースの第二弾 競馬の祭典 第92回日本ダービー(東京優駿)<GI 3歳オープン(国際)牡・牝(指定)馬齢 コース:2,400メートル(芝・左)>が6月1日(日)に東京競馬場で行われる。

2022年に生まれた3歳馬7950頭の頂点であり、競馬界最高の栄誉である日本ダービー。

ホースマンにとって最大の栄誉となるビッグタイトルを手にするために今年も人馬ともに熱い戦いを繰り広げることになる。

その熾烈な戦いを勝ち抜いて夢の舞台へエントリーしてきた各馬に秘められたエピソードや関係者たちの知られざる想いに迫った。

今回は皐月賞で3着に入ったマスカレードボールに注目。

皐月賞で実力を見せた素質馬は競馬界の若きスター騎手、坂井瑠星とタッグを組んで夢舞台に臨むが......果たして人馬の素顔とは?


共同通信杯を制したマスカレードボールと坂井瑠星騎手(c)SANKEI

高い素質にメンタル面の強化が加わり、急成長

皐月賞で3着に入ったマスカレードボール(牡3 黒鹿毛 手塚貴久厩舎・美浦 父ドゥラメンテ)は日本屈指の大牧場、社台ファームで生まれ育った。

昨年もここの生産馬のダノンデサイルがダービーを勝利して連覇が懸かる今年はマスカレードボールに大きな期待が寄せられている。

そんなマスカレードボールは皐月賞後、山元トレーニングセンターという社台ファームの生産馬の育成や休養を行う施設へ放牧され、英気を養うことに。

広々とした自然に囲まれてリラックスしたマスカレードボールを見た厩舎長の波田昌宏はその状態に太鼓判を押す。

「レースの疲れも全然ないし、カイバもしっかり食べてくれる」

キャリア20年以上を誇るベテランもマスカレードボールの走りは印象に残るものがあったという。

「促されたら動きはいいけれど、自分からハミを取ってがつがつ行くタイプではない。いい意味で気が抜けている。動き自体はほかの馬と比べ物にならないです」

そんな評価通り、マスカレードボールはデビューから2連勝。クラシック戦線の主役候補に躍り出たが、波田にはあることが引っ掛かっていた。

「メンタル面での成長があまりなかったので、連勝しても半信半疑なところがあった」

波田の心配はホープフルSで現実のものに。大外枠からのスタートが災いしたのか、直線で見せ場なく11着に大敗。

レース前からテンションが上がってしまったことを敗因に挙げたが、レース後に山元トレーニングセンターに放牧されると、マスカレードボールの変化に波田は気付いた。

「メンタル的に少し成長して、自分から動こうという気持ちが見えた」

一度大敗したことで、メンタル面に変化があったマスカレードボール。そのポテンシャルの高さは年明け緒戦の共同通信杯で存分に発揮された。

悔しいの一言に尽きる、2年前のダービー

クラシックへの登竜門としても知られる共同通信杯。

このレースでマスカレードボールは好位から動いて流れに乗ると、直線早めに抜け出して快勝。この勝利で関係者は皆、クラシックへの手ごたえを掴んだ。

ダービーを間もなく迎えるマスカレードボールだが、波田にとっては2年前のリベンジがかかっている。

2年前のダービー、社台ファームは皐月賞馬のソールオリエンスが二冠制覇を目指して出走したが、結果は惜しくも2着。

先に抜け出したタスティエーラを捕らえることができず、涙を飲む結果となった。

「悔しくて、この年のダービーのVTRはあまり見ていなかった」という波田。それだけにマスカレードボールでのダービー制覇に大きな期待を寄せている。

「この馬らしい競馬をしてくれたら、絶対勝負になる」

一生に一度の夢舞台、マスカレードボールは波田の想いを乗せてひた走る。

「ダービーも勝ちたいし、全部勝ちたい」若武者・坂井瑠星の想い

そんなマスカレードボールとタッグを組むのは坂井瑠星。

国内のGIでは13勝を挙げ、先日行われたサウジCではフォーエバーヤングに騎乗して勝利するなど、競馬界きってのスタージョッキー。

そんな坂井だが、ダービーはこれまでに3度挑戦して未勝利。初挑戦となった2020年はサトノインプレッサに騎乗し9番人気ながら4着に入り、昨年はシンエンペラーとコンビを組んで3着とあと一歩のところまで迫っている。

ダービーについての想いを聞かれると「ダービーだから勝ちたいということはない」と坂井は言う。その真意について彼はこう答えてくれた。

「ダービーは毎年あるけれど、その馬にとっては一生に一度。自分が勝ちたいというよりもその馬を勝たせたい。僕は未勝利もGⅠも同じと思っている。ダービーも勝ちたいし、全部勝ちたい」

マスカレードボールへの騎乗は共同通信杯以来となるが、坂井はこう語る。「結果を求められての依頼で舞台設定も申し分ない。いい結果を出したい」

世界に名を馳せる若武者、坂井瑠星とともに挑む夢舞台。ダービーの直線でマスカレードボールが躍動する姿が待ち遠しい。


■文/福嶌 弘

※Youtubeチャンネル「日本ダービー2025 いま頂点へ」を見逃し配信中!
URL:https://youtu.be/yzoSxXTfdyg


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