コーヒーや紅茶、ケーキに目を奪われがちだが、忘れちゃいけないご飯たち。ハンバーグにオムライスに焼きそば…憩い以外も揃えています、自慢の味。特にランチで活躍してくれる満腹喫茶店を集めてみました!

料理自慢の老舗が作る大満足のボリューム定食『コーヒーハウスあめみや』@三ノ輪

定食にスパゲッティ、さらにはドリアやサンドウィッチと、店名にコーヒーハウスとついてなければ洋食店と見まがうほどのラインナップに食いしん坊の胃袋と胸は踊り出す。

最初は父が始めた和菓子の甘味処で、その後兄がコーヒー自慢の純喫茶へシフトチェンジ。そして20年ほど前に旅行会社から脱サラして引き継いだ現店主の雨宮敏夫さんが料理好きもあって今のスタイルになった。

手作り煮込みハンバーグセット950円

『コーヒーハウスあめみや』手作り煮込みハンバーグセット 950円 継ぎ足しのデミグラスは軽やかな味わいから深いコクも広がる。目玉焼きが乗るのもうれしいかぎり

ハンバーグ豆腐をつなぎに練り込んでふわりとやさしい口当たりだし、約250gもある分厚いポークソテーもにんにくや生姜の風味を効かせた自家製タレで、ご飯がバクバク進んでしまうのだ。

さらに季節メニューでは山形の芋煮や台湾の魯肉飯など、会社員時代に訪れた本場の味も作っている。

『コーヒーハウスあめみや』店主:雨宮敏夫さん

店主:雨宮敏夫さん「おにぎりやトーストなどのモーニングセットもありますよ」

『コーヒーハウスあめみや』

[住所]東京都荒川区南千住1-15-16
[電話]03-3806-9938
[営業時間]8時半〜18時(17時半LO)
[休日]水
[交通]都電荒川線三ノ輪橋駅から徒歩1分、地下鉄日比谷線三ノ輪駅3番出口から徒歩3分

ランチいちばん人気は手作りご馳走プレート『レストラン喫茶トロント』@入谷

扉が開けば、そこに広がるのは正真正銘の昭和ロマン。味のある風情は開業から60年という時間がゆっくり磨き上げたものだ。

初代が始めた頃は軽食が中心だったそうだけど、洋食やイタリアンで経験を積んだ2代目・貢一さんが厨房に立つようになった頃からメニューもぐんとパワーアップさせてきた。それでも料理もソースも手作りを貫くのは昔から変わらぬ信条だ。

11時〜14時のランチメニューでいちばん売れ筋が「Bランチ」。

Bランチ1200円(土は1300円)

『レストラン喫茶トロント』Bランチ 1200円(土は1300円) ハンバーグのパテはほぼ牛肉で力強い風味も満点

プリッとした身を衣で包んだエビフライに、なめらかな口溶けのクリームコロッケ、自家製のデミグラスを艶やかにまとったハンバーグと、子供も大人も大好物のご褒美プレートに、食べるそばからワクワクが止まらない。

『レストラン喫茶トロント』2代目:大野貢一さん

2代目:大野貢一さん「西城秀樹さんが愛したチョコパフェもおすすめ!」

『レストラン喫茶トロント』

[住所]東京都台東区入谷1-6-16
[電話]03-3876-0680
[営業時間]10時〜20時(19時20分LO)、祝〜15時(14時20分LO)
[休日]日
[交通]地下鉄日比谷線入谷駅1番出口から徒歩1分

“昭和時間”を堪能できる貫禄のオールドスタイル『喫茶ゆうらく』@浅草橋

「いらっしゃいませ、こんにちは」と必ず明るい声が聞こえてくる。声の主は「仕事は少しでも楽しくやらないとつまんないからね」と笑う店長の宮城恒宏さん。

昭和49年に旅館から喫茶店へ転身した店を41歳で継ぐと、多彩なメニューを増やしてきた。女性客向けのライト系とビジネスマン向けのパワー系の2系統あるのが特徴で、「仕込みは朝の5時半から」という丁寧な料理で、今では地元浅草橋を代表する洋食店風喫茶との声も。コンロ5口、約60席の店はいつもにぎわっている。

とろ〜り卵のオムライス(セット)930円

『喫茶ゆうらく』とろ〜り卵のオムライス(セット) 930円 余熱で卵に火を通すのが秘密技だ

バターが香るオムライスはトロトロ状の卵2個がケチャップライスの上にのる独自スタイルで、「混む時はそうはいかないけど、喫茶メシはなるべく早く出してあげたくてこうなりました」と話す。湯気に包まれた逸品だ。

『喫茶ゆうらく』

[住所]東京都台東区浅草橋1-2-10
[電話]03-3861-9570
[営業時間]7時〜18時(17時20分LO)、土:11時〜16時(15時20分LO)
[休日]日・祝、第2・3土
[交通]JR総武線ほか浅草橋駅西口から徒歩3分

築百年の質屋蔵に漂う静謐でレトロなムード『喫茶蔵』@北千住

店主の大和田公子さんは毎日着物姿で仕事場に立つ。幼き日はここは質屋で「風が通る蔵でよく昼寝をしていたもんよ」と笑う。

喫茶店に改造してから40年。おかげで人の流れが変わり、この路地裏がみんな客商売の店になったという名物店なのだ。

東京メトロのCMに使われたり、TV番組ロケ隊が訪れたりもするここの歴史の深さは少しずつ集めた100個以上のカップに表れる。すべて色柄が違い、客に合うものを店主がそっと選ぶのだ。

「味付けは企業秘密」の焼きそばは見事にあっさりとして、少し祭りの屋台を思わせ、少し土曜の午後に母が作ってくれたひと皿を思わせるもの。

焼きそば(ランチセット・ドリンクサラダ付き)1200円

『喫茶蔵』焼きそば(ランチセット・ドリンクサラダ付き) 1200円 極細麺にソースがよく絡む

「暇だとあくびが出ちゃうから、適当にお客様がいるときがいちばん楽しいわね」と言いながらサイフォンで淹れてくれるコーヒーが香り立つ。

『喫茶蔵』店主 大和田公子さん

店主:大和田公子さん「北千住の路地裏にお運びください。お足元にお気をつけて」

『喫茶蔵』1926(昭和元)年に建てられた蔵内は天井が高く、隠し部屋として地下もある(現在は不使用)。往時の骨董品が残るのも味だ

[住所]東京都足立区千住1-34-10
[電話]03-3882-0838
[営業時間]10時〜17時
[休日]日・祝
[交通]JR常磐線ほか北千住駅西口から徒歩4分

撮影/浅沼ノア(あめみや、ゆうらく)、小澤晶子(トロント)、西崎進也(蔵)、取材/菜々山いく子(あめみや、トロント)、輔老心(ゆうらく、蔵)

2025年3月号

■おとなの週末2025年5月号は「谷根千さんぽ」

2025年5月号
『おとなの週末』2025年5月号はこちらから

※2025年3月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「喫茶店カレー4選!間違いなくハマるレトロ喫茶の王道メニュー」では、肩肘はらず、ふらっと立ち寄って味わいたい喫茶店の激旨カレーを実食レポートしています。