乃木坂46 井上和、初の地上波ドラマ主演は“運命”だった? 5期生にとっても大きな一歩に
乃木坂46の井上和が、3月21日放送のドラマ『スプリング!』(テレビ朝日系)で初めて地上波ドラマの主演を務めることが発表された。グループ加入から約3年での大役抜擢は、アイドルとしてのキャリアの中で大きな意味を持つことは間違いない。同じ5期生の五百城茉央も『MADDER(マダー)その事件、ワタシが犯人です』(カンテレ・フジテレビ系)の主演に抜擢されるなど、グループ全体として演技のフィールドが広がりつつあり、5期生にとっても大きな一歩となる。井上のこれまでの歩みを振り返りながら、アイドルとしての主演抜擢が持つ意義を考えていきたい。
参考:乃木坂46 井上和、地上波ドラマ初主演で制服&袴姿に 『スプリング!』テレ朝で3月21日放送
乃木坂46は結成当初から演技、特に演劇分野との関わりを深めてきた。これまで白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥、深川麻衣らがアイドル活動と並行してドラマ出演を果たし、卒業後も活躍の場を広げている。特に、西野七瀬は現役時代に主演を務めた『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京系)をきっかけに、卒業後もコンスタントにドラマや映画でのキャリアを築いてきた。
井上は2022年に乃木坂46に加入して以来、その才能と存在感で頭角を現し、33rdシングル「おひとりさま天国」と36thシングル「チートデイ」の2作でセンターに抜擢されるなどの実績を持つ。ライブパフォーマンスやMV撮影を通して培った表現力も高く評価されており、『古書堂ものがたり』(Lemino)では初のドラマに挑戦、2024年に上演された『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』ではセーラームーン/月野うさぎを好演、『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』(NHK Eテレ)で声優としてレギュラー出演するなど、演技経験を積んできた。筆者は実際に『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』の千秋楽を観劇したのだが、初舞台とは思えないほどの堂々とした演技と、主人公としての存在感に驚かされた。乃木坂46の活動を通して磨いてきた表現力が、舞台上でしっかりと発揮されており、特に月野うさぎらしいお茶目な台詞の言い回しや、ダンス・歌唱シーンでのメリハリのある演技が印象的だったのを覚えている。
個人的な感情を抜きにして、きっと誰もが彼女の演技をもっと見たいと思ったことだろう。それだけに思わぬ形での主演に心が高鳴った。『スプリング!』は第23回「テレビ朝日新人シナリオ大賞」で大賞に輝いた脚本をドラマ化した青春ラブストーリーだ。テーマが“小論文”という異色の設定で、受験に臨む高校生たちの葛藤と恋模様が爽やかに描かれる。主人公の逢坂碧(井上和)は成績優秀だが、志望大学の前期試験でまさかの不合格になってしまう高校3年生。後期試験は小論文のみで合格枠はわずか10名と知り一度は諦めかけるが、同じく不合格だったクラスメイトの村瀬佑に誘われ、小論文対策の特別補習に挑むことになる。
今回の主演決定に「演技のお仕事には興味があったのですごくうれしかったです!」(※)と喜びを語っていた井上。乃木坂46の先輩メンバーがさまざまな分野で活躍する姿に「いつか自分もあんなふうに!」(※)と憧れてきたそうで、2024年の『乃木坂46“5期生”版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2024』に出演した際には演じることの楽しさを感じられたことも明かしている。
井上はこの作品について「すごく不器用で初心な青春だなと思いました」と語り、自身が演じる碧には「どこか素直でいられないところ」があると分析(※)。一方、村瀬にも「まっすぐすぎるが故の不器用な部分」があり、2人の不器用さゆえの初々しい魅力が作品に詰まっていると感じたという(※)。また、碧は書道部の元部長という設定で、劇中では袴姿で力強く横断幕を書き上げるシーンがあることが明かされており、高校時代に弓道部で袴姿を披露していた井上とも親和性が高い役だろう。気になるのはラブストーリーをどう演じるのかというところだ。『乃木坂工事中』(テレビ東京系)のエピソード「目指せ大女優!乃木ザカデミー賞」では即興ながら愛らしい演技を見せていたし、『古書堂ものがたり』でも等身大の高校生役を繊細な表現で演じていた。経験を積んだ今ならば、もっと深みを増した演技を見せてくれるだろう。
井上の主演抜擢は、彼女個人のキャリアにとどまらず、乃木坂46というグループの持つ価値にも影響を与えていくことになる。アイドルが主演に選ばれることは、単なる演技力の評価にとどまらず、グループの知名度向上や新たなファン層の獲得にも繋がるだけではなく、個人のキャリアの可能性も広げていく。これまで白石や西野が築いてきた乃木坂46出身の俳優という流れに、井上がどのような足跡を残していくのかにも注目が集まる。
『スプリング!』は、彼女にとって本格的な演技の第一歩となる作品であり、同時に、乃木坂46の次世代メンバーがグループの枠を超えて活躍する可能性を示す象徴的な機会でもある。このドラマを通じて、井上和がどのような新しい表情を見せるのか、そしてこの経験が彼女の今後のキャリアにどのような影響を与えるのか。
参考※ https://realsound.jp/movie/2025/03/post-1948737.html(文=川崎龍也)
