東京から静学→高卒プロ。守護神・中村圭佑は、尊敬する南雄太と同じ道をいく。選手権出場に気合十分
この完封勝利に貢献したのが、静学の守護神・中村圭佑だ。187センチのサイズを活かしたハイボールの処理と、広範囲のセービングが持ち味で、静学らしい足もとの技術にも秀でている。
3年連続で年代別日本代表に選ばれるなど、卒業後の東京ヴェルディ内定が決まっているタレントは、強い思いを持って戦いに挑んでいる。
本当に悔しかったですし、自分がもっと積極的に声を出して、伝えるべきところは伝え、直すべきところはすぐに直すという気持ちでこの1年間、発信し続けてきたつもりです」
試合後、こう語ったように、昨年は2年生守護神としてピッチに立ち、9年ぶりの出場となったプレミアWESTでは4位に食い込むことができたが、インターハイ予選、選手権予選ではともに準決勝で敗れた。
「1年の選手権もベンチ入りさせてもらって、自分が一番経験をしているからこそ、責任があると思っています」と、最高学年を迎えた今年は、セービングスキルや足もとのスキルに磨きをかける一方で、チームを鼓舞すること、局面の対応やその場で微調整を図れるコーチングを心がけてきた。
プレミアWESTでは順調に勝点を積み重ね、18試合消化時点で首位サンフレッチェ広島ユースとの勝点差は3(広島ユースと、2位のヴィッセル神戸U-18は19試合消化)と、優勝も射程圏内に抑えている。
だが、インターハイでは2年ぶりの出場を果たすが、最終的に優勝する明秀日立に初戦で1−2の敗戦。それだけに、選手権でも2年ぶりの出場を決めて、全国制覇に向けて突き進まんと、中村はモチベーション高くチームの最後尾に君臨している。
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同時にその先にあるプロの世界に向けても、強い覚悟を固めている。11月2日、静岡学園の大先輩であるGK南雄太が現役引退を発表した。
「静学に入るまでは知らなかったのですが、入ってから練習で自分のプレーが良くなかった時に、川口修監督が『南雄太はもっとこうしていたぞ』と言われていました。そういう経緯もあって、今では本当に尊敬する選手だし、目ざすべき選手です」
南は東京から静岡学園にやってくると、1年時からレギュラーを掴み、選手権初優勝に貢献。卒業後に柏レイソルに進むと、そこからJリーグ屈指のGKとして、44歳を迎える今年まで実に25年間もプレーし続けているレジェンドプレーヤーだ。
中村もFC東京U-15むさしから静岡学園にやってきて、高卒プロとなる。同じ境遇にある先輩の引退――。
「次で通算400試合出場を達成しますし、ずっとこうしてプロの世界で生き残ることができるのは、プレーだけではなく、人間性の部分も大きいと思うので、僕も南さんのような選手になりたい。1つの目標というか、憧れもありましたし、超えていかないといけない存在だと思っています」
静岡学園の守護神としての覚悟と、偉大な先輩の意思を引き継いでプロの世界で戦っていく覚悟。両方を抱えて、「やるべきことをきちんとやるだけ」と語る中村は、11月11日、藤枝東とのファイナルに挑む。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
