スマホ春商戦、ランキングを制したのは?

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 家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、最新のスマートフォン(スマホ)のランキングをお届けしよう。例年、3月は学生のスマホデビューや春の新生活シーズンにあわせた買い替えによる春商戦がピークを迎える。しかし今年は、3月14日に「iPhone 14/iPhone 14 Plus」の新色「イエロー」発売があっても、2ケタ減の前年割れに終わった。

●スマホ春商戦ピークの3月 1位は前月と同じくiPhone 13



 カラー・容量を合算したシリーズ別集計で、23年3月に最も多く売れたスマホは「iPhone 13」、2位は「iPhone SE(第3世代)」、3位はソフトバンク・auと、Googleストアが取り扱う「Google Pixel 6a」だった。なお、Googleストアもキャリア版も、ともにSIMフリー仕様となっており、SIMロック解除の手続きなしに好きな通信事業者のSIMと組み合わせて使える。

 Androidに限ると、Google Pixel 6aに続き、OPPOの「Reno7 A」が2位につけ(全体5位)、ごく僅差で「Xperia 10 IV」、少し離れて「arrows We」「Google Pixel 7」「AQUOS wish2」と続いた。

 3月の販売台数は前年同月比84.5%。これは過去3年間で最も低い水準だ。とはいえ、21年1月〜23年3月の月間販売台数を比較すると、22年3月、21年3月に続き、3番目に多かった。また、新型コロナウイルスの感染拡大のため、キャリアショップや家電量販店の休業・時短営業があった20年3月は上回っている。

 今年3月のスマホ全体の販売台数が前年割れにとどまった理由は、Google Pixelシリーズなど一部の機種を除き、端末の返却なしに実質負担1万円を切るような特価での販売がなくなったからだろう。また、学生のスマホデビューの低年齢化(高校生から中学生、中学生から小学校高学年など)が進み、新規購入ではなく、親のおさがり(旧機種)で済ますケースが増えてきたという変化も考えられる。

 今年3月18日から、これまでモバイル(スマホ)でSuica/PASMO通学定期券を利用できなかった中学生・高校生でもモバイルSuica/PASMO通学定期券を利用可能になった。またJR西日本は、Android向け「モバイルICOCA for Android」に続き、23年内には「Apple Pay」にも対応し、iPhone/Apple WatchでもICOCAが使えるようになると発表した。こうした交通系ICカードのモバイル対応は、中学生以上のスマホ保有率の向上と、Google Pay(順次「Google Wallet」に切り替え)・Apple Pay非対応機種から対応機種への買い替えの追い風となりそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。