両SBが中に入ったことで、守田は「自分の立ち位置が決まらなかった」とも。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[キリンチャレンジカップ]日本 1−1 ウルグアイ/3月24日/国立競技場

 新しい何かを始めようとすれば、失敗はつきものだ。実質2日で試した第二次森保ジャパンの新戦術も、少なからず混乱があったようだ。

 カタール・ワールカップではカウンタ―は機能したものの、ボールを保持できず、また保持した際のクオリティやアイデアも不足していた森保ジャパンは、第二次政権の初陣となったウルグアイ戦で、ビルドアップ時に新たな戦術を試した。

 遠藤航と守田英正のダブルボランチのどちらかが(主に前者)両CBの間に落ち、右SBの菅原由勢と左SBの伊藤洋輝は内側に入って、ボランチの両脇あたりに位置。右サイドハーフの堂安律と、左サイドハーフの三笘薫はワイドに目いっぱい開いて、幅を取る。いまや少なくないチームが採用している戦術だ。
 
 ただ、戦術眼に長けた守田であっても、この新しいビルドアップ法の採用で、迷いが出たと打ち明けている。

「もっと攻撃に厚みをもたらしかったですけど、自分の役割の整理がつかなかった。サイドバックが中に入ってきたことで、自分の立ち位置が決まらなかった」

 27歳のMFは「なんでできなかったのか。なんで(SBが)中に入ってきたらフリーズしたのかをもう少しチームとして突き詰める必要がある」と指摘。一方で、「失敗したと思い過ぎないのが大事」と新たな取り組み自体はポジティブに捉えた。

 ボールを握るための手段のひとつとして導入されたこの新戦術は、28日のコロンビア戦までにどこまで精度を上げられるか。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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