3月は卒業シーズン、街中で袴(はかま)姿の人を見かけた、あるいは着たという人も多いことだろう。

袴といえば基本的には縦にヒダが入っているものだが、実は横方向にもシワが入っているのをご存知だろうか。

そんな袴の横ジワは伸ばしてはいけない――Jタウンネット記者はツイッター上でそんな気になる情報を目にした。

縦のシワを伸ばしてはいけないのは分かるけれど、横もいけないのはなぜなのだろう。ぴんとしていた方がいいような気がするが......何か意味があるのだろうか?

疑問に思った記者は2023年3月6日、日本の民族衣裳および、その染・織・文様・造形等に関する知識を普及する「一般財団法人 民族衣裳文化普及協会」に話を聞いた。

横のシワの意外な事実

同協会によると、袴の横のシワについては伸ばしてはいけないというより、「伸ばさなくても良い」ものなのだという。

横のシワはいわゆる「たたみジワ」。「出世だたみ」や「石だたみ」といったちゃんとしたやり方で袴を畳むと、どうしてもついてしまうものだ。つまりはその袴の持ち主が、袴をきれいにたたんで保管できるような環境に暮らしていることを示し、

「すなわちその方の環境の格が高いことを意味するものです。アイロンなど無かった時代からそのまま着ており、現在でも続いています」

と語る。

袴に横方向に入っているのはシワというよりは「折り目」。だから気にしなくて良いのだ。

ところで普段からあまり身に着ける機会のない袴だが、卒業シーズンなどで着用したときは、どんなことを注意すれば良いのだろう。記者の質問に、同協会は「取り扱いの際に見落としがちな点」として、こんなことも教えてくれた。

「卒業式では一日中着ていることが多いものです。意外と思われるのですが3月でも汗を沢山かいてしまいます。着終わった後は必ず半日ほど影干ししてからしまいましょう」(民族衣裳文化普及協会)

ちょっとの手間をかけてあげるだけで、次回着るときも気持ちよく着られるとのことだ。