カルビー「かっぱえびせん」 85g/130円前後→77g/150円前後(ともに店頭想定価格)

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「この商品、少なくなっている気がする……」あなたもそんなふうに思ったことはないか? 実は今、我々の周りでは多くの商品が「ステルス値上げ」(値段を変えず容量を減らす実質的な値上げ)されている。食品や日用品などのさまざまなジャンルの商品が、“ひそかに”少なくなっているのだ。

◆お菓子も日用品もあらゆる商品がひそかに減っている

 消費経済ジャーナリストの松崎のり子氏が解説する。

「企業がステルス値上げをする理由は、消費者離れが怖いからです。一度値上げした商品を再び値上げすると消費者の抵抗感が強まるので、今度は“容量変更”という形で中身を減らしてコストを抑えるのです。

また、材料配分を変えてコストを下げるやり方もありますね。ウインナーの材料配分が変わっても、消費者はほとんど気づけませんよ」

◆誰もが知る菓子やウインナー、乳製品などが続々と容量を減少

 ’22年はまさに値上げラッシュの1年だったが、実はステルス値上げも盛んに行われていた。容量変更を発表した商品を調べると、「かっぱえびせん」や「コアラのマーチ」など誰もが知る菓子からウインナーや乳製品、ピザまで続々と量が減っている。

「数グラム減ったと言われてもピンとこない……」という人は、取材班が測った減少量を見れば、実際の減り具合がわかるはずだ。

カルビー「かっぱえびせん」 85g/130円前後→77g/150円前後(ともに店頭想定価格)
湖池屋「スティックカラムーチョ ホットチリ味」 105g→97g
日清シスコ「ココナッツサブレ」 20枚→16枚
日清シスコ「チョコフレーク」 80g→70g
ロッテ「コアラのマーチ<チョコ>」 50g→48g
ピザーラ「Lサイズピザ」 14インチ(直径36cm)→13インチ(直径33cm)
森永乳業「クラフトスライスチーズ(7枚入り)」126g/400円→112g/420円(ともに希望小売価格)
伊藤ハム「グランドアルトバイエルン」 127g→120g
Q・B・B「ベビーチーズ(プレーン)」 60g→54g

「’22年は小麦粉や油など多くの商品で使われる素材が高騰した分、ステルス値上げする商品も増えたのでしょう。100円均一ショップの袋売りの小麦粉ですらステルス値上げをしていました」

◆オレンジジュースがある日突然、減る

 ステルス値上げの動向は総務省の「小売物価統計調査」でも把握されている。同調査では全国に約750人の調査員を配置し、スーパーの店頭価格などを調べているという。

「店頭価格や企業HPなどで約500品目を調べており、近年ではシリアルや冷凍コロッケの容量が減るケースがありました。多くの企業は容量変更があれば公式リリースなどで公表しているのですが、なかには発表せずに容量を変える事例も見られます。

1Lパックのオレンジジュースが見た目を大きく変えずに容量表記だけ900mlに変わるようなケースの場合、調査員が自分の目で確かめるしかないのです」(総務省の担当者)

◆ステルス値上げが生まれる要因は…

 そんな事例を聞くと、消費者を欺くアコギなやり方のように感じるが、実際には企業努力の一つという側面もあるようだ。

「企業側も堂々と値上げをしたいのが本音でしょうが、消費者が値上げに敏感すぎるので、苦肉の策として量を減らしているわけです。ある意味、買い手がステルス値上げを生み出している部分があると思います」(松崎氏)

 値段か量か、我々の消費スタンスも問われているのだ。

【消費経済ジャーナリスト 松崎のり子氏】
雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材した経験を生かし、各メディアで消費者に役立つ情報を発信中

【総務省統計局物価統計室】
「小売物価統計調査」を実施。各都道府県の調査員が毎月物価がどのように変化しているのか、約500種類の品目ごとに調べている

取材・文/週刊SPA!編集部

―[ステルス値上げ大調査]―