たった9分で100%充電できるスマホが登場! iPhoneケーブル充電より高速な無線充電でモバイルバッテリーは不要になる?

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外出する際のスマートフォン必須アイテムといえばモバイルバッテリーだが、今後は不要になるかもしれない。

シャオミが海外で発売している「Redmi Note 12 Explorer」は、たったの9分でバッテリーをゼロから100%まで充電することができるからだ。

Redmi Note 12 Explorerは、210Wの急速充電に対応している。
iPhoneの急速充電が25W程度なので、その約8倍以上も速い充電能力になる。
他社のAndroidスマートフォンも100Wクラスの急速充電対応モデルを出しているが、Redmi Note 12 Explorerはそれらよりもさらに倍以上高速なのだ。


210W充電に対応するRedmi Note 12 Explorer


Redmi Note 12 Explorerのバッテリー容量は4300mAh。
いまや5000mAhの内蔵バッテリーが一般的になりつつある最近のAndroidスマートフォンと比較するとバッテリー容量は若干小さい。

しかしながらRedmi Note 12 Explorerは、9分で満充電できるだけではなく、5分で66%までの充電が可能だ。これだけの急速充電能力があれば、バッテリー容量が多少小さくても問題はまったくないだろう。

66%充電できる5分間と言えば、たとえばカフェで座席について充電を開始し、オーダーを行いコーヒーが届くまでの時間くらいだ。また、コーヒーを飲みきる時間で、100%充電も完了する。
つまり、コーヒーを飲む前もしくは飲み終わる前には、バッテリー切れの心配がなくなる程度の充電もしくは100%充電ができてしまうのである。

実は現在、日進月歩でシャオミ以外のメーカーも急速充電技術を高めている。
vivoは200W充電に対応した「iQOO 10 Pro」を7月に発表。4700mAhの内蔵バッテリーを10分で充電できる。

またInfinixは180W充電に対応した「Infinix ZERO ULTRA」を10月に発売。こちらも4500mAhの内蔵バッテリーを12分で満充電することが可能だ。

どちらのモデルも数分あれば半分程度は充電できる。
シャオミのRedmi Note 12 Explorerには一歩及ばないものの、他社のスマートフォンと比べるとはるかに高速だ。


Infinix ZERO ULTRAは180W充電に対応


さて今後、10分前後で100%充電できる急速充電技術が普及すれば、もはやモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要は無くなる。

モバイルバッテリーは、どんな時でも、どのような機種でも充電できるメリットはある。しかし持ち運ぶには大きさや重量が気になる上に、モバイルバッテリー本体の充電も必要となる。

朝起きたらスマートフォンは充電できていたが、モバイルバッテリー本体の充電を忘れていた、なんて経験は誰にでもあるだろう。
また高容量なモバイルバッテリーは、スマートフォン本体よりも重量がある。
モバイルバッテリーを持ち歩かなければかばんやバッグの重さを減らすことができるのだ。

さらに最近問題になっているのがモバイルバッテリーのリスクだ。
大手メーカーの製品であれば品質は保証され、サポート体制も整備されている。だが安価な無名メーカーの製品の中には低品質な製品もあり、発火などの事故も起きており消費者庁も注意を促している。

またモバイルバッテリーの破棄も問題だ。
専用のリサイクルBOXでの回収をせずに、一般ごみとして捨ててしまうと環境破壊などになるからだ。
モバイルバッテリーは便利な製品ではあり、これまで多用されてきた。
しかしながら広く普及し、多くの製品が市場に提供されたことで、リスクやエコなどの問題が発生してきており、将来的には使わなくて済むのであればそれに越したことはないだろう。

では今後、充電技術はどこまで進むのだろうか?

OPPOは2022年2月に150W充電と240W充電を発表している。
このうち150W充電はすでに「OnePlus Ace」などに採用されており、実用化されている。
一方の240Wはまだ技術発表だけで製品化はされていない。

おそらく今後の新モデルで240W対応は採用されるだろうが、
・240W対応の小型充電器
・240W対応ケーブル
・安全性
この3点を詰めていく必要があり、実用化までにはまだ時間がかかるかもしれない。

一方、急速充電技術は高速な充電、短時間の充電時間を実現するが、USBケーブルを接続して充電するため、使い勝手としては少々面倒だ。

そこで各メーカーは、無線充電技術の高速化にも挑んでいる。

シャオミは80Wの無線充電器を発売しており、自社スマートフォンの「Xiaomi 11」などが67Wの無線充電に対応している。

これは5000mAhの内蔵バッテリーを36分で満充電できることになる。
もはやiPhoneのLightningケーブルを使った充電よりも高速なのだ。

2022年10月末時点で世界最速の無線充電速度に対応しているのは、HONORの「Magic4 Pro」だ。

Magic4 Proは100Wの無線充電に対応しており、4600mAhの内蔵バッテリーを15分間で50%充電できるという。


無線でも100Wの充電に対応するHONOR Magic4 Pros


無線充電もここまで高速になればUSBケーブルは不要になる。
とはいえ無線の高速充電にも弱点はある。
・充電台の上に正しくスマートフォン本体を置かなければならない
・スマートフォンと充電台との間に隙間があると充電速度が落ちる
こうした問題があるからだ。

一方iPhone 14の無線充電では、10W以下と低速ではあるが、
MagSafeにより本体が充電台に正しく接することで安心・安定した無線充電を実現している。
今後、Android系の高速無線充電も、同様の技術の搭載を検討するべきだろう。

スマートフォンの大きさは片手で持つサイズを維持するためにこれ以上大きく、重くすることは難しい。またバッテリー容量も今よりも大きくすることは難しいだろう。

いまやスマートフォンの性能アップも行き着くところまで到達しつつある。
そうなると今後の各スマートフォンメーカーは、バッテリーの充電速度を高めることで、製品の軽量化や安全性、使い勝手の良さといった差別化を図っていくだろう。

そしてスマートフォン開発で向上した技術が、ノートPCやほかのIT製品にも応用され、市場や生活を大きく改善してくれることを期待したいものだ。




執筆 山根康宏