難コースで「64」で回ったアマ・蝉川泰果(撮影:上山敬太)

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<日本オープン 初日◇20日◇三甲ゴルフ倶楽部 ジャパンコース(兵庫県)◇7178ヤード・パー70>
史上6人目のアマチュア優勝の歓喜から、およそ1カ月ぶりにツアーに出場した蝉川泰果(せみかわ・たいが、東北福祉大4年)が、7バーディ・1ボギーの「64」で6アンダーの好発進。「こういう難しいコースセッティングでも果敢に攻めて自分らしさを貫いた結果、ロースコアにつながった。貯金ができました」とアンダーパーをマークする選手が少ない難コースで、大きなアドバンテージを得た。日本オープンのアマチュア制覇は第一回大会(1927年)の赤星六郎以来95年ぶり、ツアーでのアマ2勝目となれば史上初。偉業に向けて最高の滑り出しとなった。
アマチュアとはいえ、ツアー1勝の実績に加え、世界アマチュアランキング1位という目で周りは見る。大きな重圧がかかりそうだが「ちゃんとできるかなという不安要素があるくらいで、緊張感は昨日からなかった。やるぞっていう気持ちが強かった」と本人はのびのびとプレー。地元兵庫での大会に「応援してくださる方が多くて、声援がパワーになったかなと思います」というコメントまで飛び出した。
ティショットを少しでも曲げれば、ボギーやダブルボギーに直結する。その厳しいセッティングのなかでも得意のドライバーをしっかり振り切ってスコアを作った。ドライバーを使ったのは14ホール中9ホールで、フェアウェイを外したのは5番パー4の1ホールだけ。ドライバー以外のクラブを含めて、この日は13ホールでフェアウェイをとらえた。
「ちょっと前の僕だったら打つ前に恐怖心がすごく芽生えていた。『OBが気になる』と思いながら打つとミスが出てくる。なるべく自分の成功するイメージだったり、真っすぐ行く状況を自分のマインドで作って、朝の練習場から調整してきている。ネガティブ要素はほとんど持ってないですね」と好スコアの要因を明かす。
JGAナショナルチームでは大阪体育大学の菅生貴之教授のもとで、メンタルトレーニングに取り組んでいる。蝉川がプロの試合でも自信を持ってポジティブな気持ちでプレーできているのは、その影響もある。「菅生さんには自分が助けてほしいなというときに、オンラインで1時間くらいセッションしたり、電話やラインでもやりとりしています」。きょうも「朝のスタート20分前くらいに、手短に教えてもらいました」と話す。
転機となったのは6月に行われた下部のABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」での優勝だった。3日間大会でトータル17アンダーまで伸ばして、プロたちを振り切り、自分が取り組んできた練習やトレーニングが間違っていないと確信。自信につながった。「ABEMAの優勝がきっかけでポジティブにできるようになった。全部の試合で勝てるイメージが湧いている」とまで言い切る。それが先月のレギュラーツアー「パナソニックオープン」優勝の快挙にもつながった。
“優勝は1ケタアンダー”と予想される大会で、6アンダーの好発進を決めたが、蝉川はアクセルを緩める気はない。「あすはもっと良いスコアで回りたいと思っている。この難しいセッティングでも60台を並べていきたい」と、どこまでもポジティブ思考で4日間を走り抜く。

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