Wordの画像が動かない! 〜困ったらレイアウトオプションで解決する
しかし、画像を挿入後、
「あれ? マウスで移動できない」
「複数選択ができるはずなのに、なぜ?」
こうした「どうして?」に悩むことがある。
そんなときはレイアウトオプションで、画像の配置を変更すれば解決できる。
●まずは基本から〜画像の挿入方法
パソコンに保存した画像データは、次のようにWordに挿入する。
・[挿入]タブで[画像]−[このデバイス]をクリック。
・画像を保存してあるフォルダから挿入したい画像を選択して[挿入]をクリック。
すると、デフォルトでは「行内」というレイアウトで配置される。
これは文字と同様に、画像を段落内に配置する方法だ。
●「行内」の画像を横移動させたい →文字と同じように動かす
「行内」の画像が段落内に1枚だけ配置されているときは、
マウスで画像を横に動かそうとしてもうまくできない。
行内に1文字だけ入力されている文字を、マウスで横方向へ移動できないのと同じだ。
だから、画像の前にスペースなどを入力すれば、画像を横方向へ動かすことはできる。
しかし、スペースをいくつも入れて移動させるのは、あまりよろしくない。後で用紙サイズや1行文字数などを変更したとき、位置の調整に手間がかかることがあるからだ。
おすすめは、[ホーム]タブでの[中央揃え]や[右揃え]といったボタンを使うことだ。ぴたりときれいに位置を整えてくれる。
また、ルーラー(画面上の目盛り線)を使って、インデントマーカーを好きな位置までドラッグするのもよい。
これは文字列の開始位置を変更する操作だが、ひいては、行内に配置された画像の左端の位置を変更する操作にもなる。
ちなみに、ルーラーが表示されていない場合は、[表示]タブかで[ルーラー]にチェックを入れよう。

●画像を自由に動かしたい →配置を「行内」以外に変更する
画像をマウスで自由にスイスイと動かしたいなら、「行内」以外の配置を選ぼう。
貼り付けた画像をクリックすると、右肩にレイアウトオプションの小さなボタンが表示される。そこをクリックすると、別の配置に変更できるのだ。

矩形の画像の横に文字を回り込ませたいなら、「四角形」がよい。
円型などにトリミングした画像なら、「狭く」や「内部」など、輪郭に沿って文字が配置される設定が効果的だ。

「狭く」と「内部」は、ほとんどの画像で違いは出ない。
ハートや星などの凹みのある形状で、かつ「文字の折り返し点」が画像の輪郭に沿っているときに、使い分ける意味が出てくる。
「文字の折り返し点」とは、画像の周囲で文字列が折り返される位置を指定するものだ。表示するには画像をクリックし、[図形の形式]タブの[文字列の折り返し点の編集]を選択する。
下図の赤い線でつながれた黒い点が折り返し点だ。ここでは画像の輪郭に沿うように、黒い点をドラッグして編集している。「内部」に設定すると、画像上部の凹みにも文字列が回り込んでいるのが分かるだろう。
ただし、繰り返しになるが、画像をハート型にトリミングしても、下図のように「文字の折り返し点」を自分で編集しなければ、違いは出てこない。

そのほか、画像の左右に文字を回り込ませたくないなら、「上下」がよい。
好きな位置に画像を置きたいなら、「前面」を選ぼう。「四角形」や「内部」などと違い、文字列は画像を避けない。
文字列と重ねたいなら「背面」にして、下図のように[図形の形式]タブで画像に透明度を設定すると、文字が読みやすくなる。

なお、レイアウトオプションの一番下、[詳細表示]をクリックすると、文字列と画像との間隔などが数値で指定できる。

●画像をほんの少しだけ動かしたい→「行内」以外に変えて、矢印キーを使う
位置を微調整したいなら、「行内」以外の配置に変えよう。
画像を選択した状態で矢印キー(カーソルキー)を押すと、好きな方向に、少しずつ動かすことができる。
[Shift]キーを押しながら矢印キーを使ったり、ドラッグをしたりすれば、水平あるいは垂直方向に移動できることも覚えておこう。
ちなみに、[Ctrl]キーを押しながら同様の操作をすれば、コピーができる。
●画像が複数選択できない →「行内」になっていないか確認する
[Shift]キーや[Ctrl]キーを押しながらクリックすれば、画像は複数選択できるはず…なのにできないときも、画像の配置を確認だ。「行内」の画像であれば、単独で選択しよう。
●画像が一部しか表示されない →配置を「行内」以外にするか、行間の設定を見直す
画像を挿入後、下図のように、画像の下の部分だけが見えるような状態になることがある。
これは、文字列の行間を「固定」にしている段落に、「行内」で画像を配置したためだ。
行間を「固定」に設定すると、文字サイズを変更しても行間は自動調整されない。例えば行間を24ポイントに固定し、文字サイズを25ポイント以上に変更すると、文字の上部が切れてしまう。
大きな画像も「行内」で配置すると文字と同じような扱いになるため、画像の上部が表示されなくなるのだ。
よって、行間を「固定」以外にするか、配置を「行内」以外に変更すると解決する。

●いつも「四角形」で配置したい →「規定のレイアウト」を変える
画像を挿入する場合、デフォルトは「行内」だ。しかし、挿入後に毎回、別の配置に変更しているとしたら、その手間がもったいない。
そんなときは、デフォルトの配置を変える。
例えば、画像をいつも「四角形」の配置で挿入したいなら、まずは任意の画像を「四角形」に修正。その後、[図の形式]タブの[文字列の折り返し]−[規定レイアウトとして設定]をクリックしよう。次回、画像を挿入したときに、デフォルトの配置は「四角形」となる。

こうしてみると、画像を「行内」で配置するメリットが見つからないと思われるかもしれない。
しかし、「行内」にすれば前述のように、[中央揃え]や[右揃え]といった文字の配置ボタン1つで、簡単にほかの段落と位置を揃えられる。
また、絵文字のような小さな画像を文字列に入れ込むときにも「行内」が適している。文字列と一体化してくれるので、文章を推敲するときにも無駄に妙な動きをせず、ストレスがない。
画像の配置の特徴を知り、扱い方のコツをつかんで、美しい文書を作成しよう。
執筆 中野 久美子
