<NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 初日◇12日◇軽井沢72ゴルフ 北コース(長野県)◇6679ヤード・パー72>
先週行われた海外女子メジャー「AIG女子オープン」(全英)から帰国し、今大会に出場している勝みなみが、14番パー4で残り139ヤードの2打目を9メートルにつけた。2パットでパーセーブすると、ツアーの連続ノーボギーホール記録が『87』に更新された。
「全然(記録は)意識してなかったです。さっき『新記録だよ』って言われて、『え?』って。(2週前の)73で一回切れたと思っていました」。本人にとっては、まさかの“新記録樹立”だった。
2週前の「楽天スーパーレディース」では、4日間で1つのボギーも叩かず優勝した。このツアー史上初の快挙で、ボギーなしのホールが『73』まで伸びていた。昨年、山下美夢有が打ち立てた『86ホール連続』の更新まで『14』。開幕前には「ノーボギーだった時(楽天)ほど調子がいいわけではない」という言葉も出ていたが、きっちりとパーとバーディを並べ続けた。
ドライバーが左に曲がり、2打目が出すだけになった11番パー4は「危なかった」と振り返るが、それ以外は「危なげなくパーを獲ってました」と余裕の表情。2打目を右のロープ外に打ち込み、そこからグリーン奥のラフに外した2番パー5も、「アプローチも足が使えるし大丈夫かなって。自分としては想定内。あそこからパーでいけばいいやという自信がありました」と、見事なロブショットでパーをセーブした。本人にとってはきょうの軽井沢同様に“涼しいホール”だったようだ。
ただ記録更新直後の15番で、タイミングをはかったかのようにボギーを叩いた。これはティショットでドライバーがダフリ、200ヤードも飛ばずに喫したもの。「(後で)記録のことを聞いたら“あー、やってしまった!”と悔しかった。仕方ないとは思ったけど、恥ずかしかったので明日はバーディを獲りたいです」。
それでも続く16番では5メートルからのバーディパットがカップを1周して、イン。「ああいう風(1回転して)に入ることがこれまでなかった。外れたと思って見ていたら入ったのでビックリしました。あのバーディが無かったら、(15番の)ボギーから持ち直せなかったと思う」。4アンダー・6位タイで発進したラウンドは、明日にもつながるいい内容といえた。
もし、ラウンド前に記録のことを意識していたら、「もっと先のほうでボギーがきていたと思う」とも話す。無欲が生んだ新記録ともいえる。では、15歳293日でのツアー最年少優勝記録も残している勝にとって、“記録”とはどんな意味をもつのだろうか?
「すごい記録を残したいと思ったことはない。言われてから『あーそうなんだ』とか思うことが多い」。結果として残るもの。そんな意識が伝わってくる。ただ、「最少スコアや、世界記録には興味があります。最少スコアはパーではダメ。プレッシャーもかかると思うし、究極まで自分を追い詰めてみたい。そして、それを楽しいゴルフで更新できたらいい」という“野望”も抱いている。
国内女子ツアーの18ホール最少ストローク記録(パー72)は、キム・ヒョージュ(韓国、2012年)、稲見萌寧(21年)が打ち立てた「61」。次はここが標的となる。アイアンにはキレがあり、3番パー3でベタピンの位置からバーディを奪うなど、ショットでスコアを伸ばすシーンも目立った。「バーディ合戦になる一週間だと思うので、1つでも多く獲れるようコースマネジメントしていきたい」。現在の状態のよさを、次なる大記録に結びつければ、どれだけ伸ばし合いの大会といえども国内2連勝に大きく近づくことは間違いがない。(文・間宮輝憲)
【連続ノーボギーホール記録・上位】
1位:87 勝みなみ(2022年)
2位:86 山下美夢有(2021年) 
3位:85 若林舞衣子(2021年)
4位:83 ※ジェニー・シン(2016年) 
5位:81 申ジエ(2015年) 
6位:80 P・チュティチャイ(2016年) 
6位:80 ※A・ソレンスタム(2004年)
※は招待選手

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