写真共有サービスのFlickrがインターネット上のあらゆる情報を記録・保存する団体のインターネット・アーカイブと共同で実施していた「パブリックドメインの電子書籍から画像を抽出して無料公開するプロジェクト」の専用アカウントを削除しました。この削除によって同プロジェクト名義で公開された画像520万枚の情報が消滅した模様です。

Flickr: The Help Forum: [Staff Response] Internet Archive Book Images Photostream down or deleted?

https://www.flickr.com/help/forum/en-us/72157720510495566/

新たに削除されたアカウントは、Flickrとインターネット・アーカイブが共同運営していた「Internet Archive Book Images」というアカウント。このアカウントはインターネット・アーカイブが所有するパブリックドメインの電子書籍から抽出した画像をアップロードするというプロジェクトのためのもので、医療に関する資料から風景画まで全て無料ダウンロード可能&商用利用も可能でした。

このプロジェクトについては、プロジェクト発足当時の2014年の記事が参考になります。

無料で自由に利用できる歴史的画像1400万枚を公開するプロジェクト - GIGAZINE



問題のアカウントのURL「https://www.flickr.com/photos/internetarchivebookimages/」にアクセスすると、以下のようにページが削除されてしまったことが確認できます。



この一件に関するヘルプフォーラムの投稿によると、Flickrは「1)同アカウントは写真ではなく書籍の画像が主体だった」「2)アカウントの管理をインターネット・アーカイブが積極的に行っていなかった」「3)同アカウントにアップロードされた書籍画像は写真の保護を目的とするFlickr Commonsとは無関係な検索結果に表示される傾向があった」の3点からアカウントの削除を決定したとのこと。



今回の削除によって、削除時点で登録されていた524万9938枚の画像にアクセスできなくなったほか、これらの画像にユーザーが付与していたタグなどの情報が全て消滅。さらにFlickrが今回の削除を事前通知せずに実施したために情報の保管措置が適切に行えなかったことも非難を招いています。

一連の事態に関する問い合わせが多数あったことを受け、Flickr Commonsの創始者でありFlickr財団の次期理事でもあるGeorge Oates氏が「今回の削除は間違いでした」と公式に謝罪。インターネット・アーカイブと協力し、アップロードした画像をできる限り復旧した上でプロジェクトの管理下から除外し、CC0ライセンスとして再設定を行う予定だと告知しました。



Oates氏は「寄せられた問い合わせの通り、デジタルコモンズから資料を削除するというのは、極めて慎重な計画なしに行うべきではありません。私たちは計画をしっかりと立てなかった上に、その計画を周知することも行っていませんでした。今回の失敗を受け、今後Flickr Commonsのメンバーシップとプログラムへの参加をどのように扱うべきかについて、より良い意思決定と手続きが必要だということを認識させられました。Flickr財団とFlickrの全体チームは長期的な繁栄を視野に入れてガバナンスとコンセンサスを強化することに取り組む予定です」とコメントしています。