iPhone miniモデル失敗が小型スマホのオワコンではない? 世界で進む小型モデルのサイズ最適化とは
しかし世界市場の規模でみれば、小型スマートフォンの市場は縮小を続けている。
日本は小型スマートフォンが好きな人が多いと言われてきたが、2021年冬あたりから家電量販店を中心に、
「iPhone 12 mini」
「iPhone 13 mini」
これらの小型iPhoneモデルの大幅な割引販売が行われている。
こうした割引販売をみると、この2つのモデルはiPhone人気の高い日本でも購入者が少なかったことが読み取れる。
次期iPhoneのラインナップからは「mini」が無くなるとのうわさも出ており、
・5.4インチ画面
・横幅6.42センチ
という超小型サイズのスマートフォンは、もう出てこないのかもしれない。
しかし小型スマートフォンがアップル以外からも出てきている。
各スマートフォンメーカーも、大型モデルばかりを考えているわけではないからだ。
サムスンが2月に発表した「Galaxy S22」シリーズは、一番小さいモデルが前機種よりさらに小さくなり、より持ちやすい形状へと変更された。
Galaxy S22シリーズ最小モデル「Galaxy S22」は、
・画面サイズ6.6インチ
・画面縦横比19.5:9
・本体サイズ146x70.6x7.6mm
と小さい。
前年の最小モデルだった「Galaxy S21 5G」は、
・画面サイズ6.7インチ
・画面縦横比20:9
・本体サイズ151.7 x 71.2x7.9mm
だった。
Galaxy S22はディスプレイの縦横比を若干変更して0.1インチ小型化しただけではなく、縦に5.7ミリ、横幅は0.6ミリ、厚さは0.3ミリ小さくなった。
数値だけを見るとわずかな差だが、実際に手に持ってみるとサイズの違いを体感できるほどだという。

サムスンのGalaxy S22。6.1インチ画面と比較的小型なモデルだ
サムスンと言えばスマートフォンの大画面化をけん引してきたメーカーだ。
2019年からは折り畳みディスプレイを商用化し、閉じたときはスマートフォンサイズだがディスプレイを開くと7.6インチの大画面が現れる「Galaxy Z Fold3 5G」が同社の顔となるモデルになっている。
またスペックを下げて買いやすい価格で販売しているミドルレンジ機「Galaxy A22 5G」は6.6インチディスプレイを搭載するなど、価格が低くても画面サイズは大きい。
だがそのサムスンが2022年になってから小型モデルを強化している。
他のメーカーの製品を見ても、小型モデルの需要が市場にあることがわかる。
ASUSは5.9インチディスプレイを搭載した「Zenfone 8」を2021年夏に発売。
日本向けモデルにはおサイフ機能も搭載した。
本体サイズは148x68.5x8.9mmで、横幅7センチを切ったスリムな製品だ。
またシャオミが12月に海外で発表した
「Xiaomi 12」
「Xiaomi 12X」
これらは同社としては小型な6.28インチディスプレイを搭載、ベゼルを狭めて本体サイズは152.7x69.9x8.2mmと、こちらも7センチ以下とした。

Xiaomi 12はスリムサイズを特徴にしている
シャオミは、この2つのモデルの利点に、
「片手でも楽に持てて操作できる」
こうアピールしている。
シャオミもサムスン同様に大画面モデル化を推し進め、さらに低価格化を進めているメーカーだ。
世界1位のサムスンと世界3位シャオミの両者からスリムなモデルが出てくるということは、「小型モデルが欲しい」というユーザーニーズが、いまでも一定数あるということなのだろう。
とはいえiPhoneのminiモデルでのセールス状況を見ると、
現在求められている小型スマートフォンのサイズは「6インチ」前後というのが最小サイズということなのだろう。
そんな状況の中、楽天モバイルでは、
サムスンやシャオミ、ASUSとは異なる動きを見せている。
楽天モバイルは、
大画面モデル「Rauten BIG」シリーズ
超小型モデル「Rakuten Mini」
これら幅広いモデルバリエーションを展開してきた。
さらに2022年2月には、片手で使いやすい「Rakuten Hand 5G」を投入した。
ディスプレイサイズは5.1インチでiPhone 13 miniより小さいスマートフォンだ。

iPhone 13 miniより小さいRakuten Hand 5G
楽天モバイルは2021年には、前モデルとして「Rakuten Hand」を出しており、Rakuten Hand 5Gはその名の通り5Gに対応した後継機となる。
本体サイズは138x63x9.5mmで、iPhone 13 miniの131.5x64.2x7.7mmとのサイズ差はあまり変わらない。
現在の市場では、
「小さいスマートフォンは売れない」
そう誰しもと思われるかもしれない。
しかしRakuten Hand / Rakuten Hand 5Gは本体価格が安く、スペックも低い。
つまりスマートフォンとしてアプリや機能を使い倒す製品ではなく、適度にSNSや検索を行うといったライトユース向けの割り切ったモデルと言える。
そのため購入者もガラケーからの乗り換えや、数年前のスマートフォンを使っているユーザーを対象としていると思われる。
それらの対象ユーザーにとっては、Rakuten Hand / Rakuten Hand 5Gはコスパもよく十分な製品であるわけだ。楽天モバイルの低料金プランと合わせれば、ある程度の販売数は見込めるそうだ。
このほかにも家電メーカーから異色の参入となったBALMUDA Technologiesの「BALMUDA Phone」もある。
BALMUDA Phoneは、画面サイズが4.9インチ、本体サイズ約69x約123x約13.7mmとさらに小さい。
「必要なものだけを持ち歩く」という、こちらも割り切った製品だからこそこのサイズだ。
コンセプトや狙う方向は悪くないため、実売価格が下がれば、需要は掘り起こせるかもしれない。

4.9インチ画面のBALMUDA Phone
現在の各メーカーにおける小型スマートフォンの取り組みを見てみると、
・大手メーカーは、6インチ前後で高いスペック ミドルほか拘りユーザー向け
・日本独自製品は、5インチ前後で低スペック ライトユーザー向け
こうした2つの方向に分かれている。
実はiPhoneも
「iPhone 13」
「iPhone 13 Pro」
これら2つの売れ筋モデルは6.1インチである。
ハイスペックなスマートフォンで、ユーザーが求める小さい画面サイズは6インチ前途が最適なのだろう。
これまでのスマートフォン市場では、各メーカーとも大画面化を押し進めてきた。
2022年を迎えて、サイズを最適化された小型モデルも投入することで、ニーズの多様化に対応した製品ラインナップの幅が広がってきそうだ。
執筆 山根康宏
